中国の精神病院で行っている精神迫害

2013年05月21日 15時00分
単に収容されているだけの精神病患者、重慶 (Getty Images)

【大紀元日本5月21日】5月1日、中国で初めての「精神衛生法」が施行された。この法の第30条に「精神障害者の入院治療は患者本人の意思を尊重すべきである」と定められている。しかし、中国の精神病院は共産政権を維持する手段として使っており、政府や権力者に対して不都合な人はすべて精神病(統合失調症)患者として精神病院に入れることができるから、現在の政治体制下では、この法の実施に対して期待できないという意見が多い。

 乱用されている精神療法

 中国民間公益機構「深セン衡平機関」は2010年に発表した「中国の精神病収容制度の分析報告」の中で、次のように指摘した。「中国の精神病患者の収容状況は極めて乱れている。その重要な問題点は精神病治療法が濫用されており、いかなる司法審査の手順も踏まず、簡単に人を精神病院に送り込むことができる。そこで、企業の管理部門、警察、政府部門は何れも送致人になることができ、送致人は直接精神病院と契約することができる。このような状況下では正常な人も簡単に精神病院に送致することができる」

 「被精神病」者に対する迫害

 「被精神病」とは最近中国で造られた言葉である。つまり、精神病ではない人に精神病の病名を被せて無理やり精神病院に入れて迫害することを指している。これは中国共産党政権が誕生以来、ずっと存在していたが、近年、権力の乱用が普遍化しているため、当局者及び権力者は、自分に対して不都合な人を精神病患者として精神病院に送致するケースが多くなっている。しかし、中国で自由に報道できるメデイアは存在しないから、このようなケースは僅かしか知られていない。

 その実例としては、2008年、山東泰安の農民の孫法武さんは地方政府の不作為のため、北京に陳情に行く途中に現地政府に捕まえられ、20日あまり精神病院に閉じ込められた。

 2008年7月、上海で警察の暴行を受けた北京市民の楊佳さんは、更に政府にも不公平に扱われたため、弁護士を依頼する活動していた楊さんの母の王静梅さんは暫く精神病院に送り込まれた。

 湖北省十堰市竹渓県建設局の幹部の郭元栄さんは、現地政府役人の経済不正を内部告発したため、精神病院に14年間入れられていたが、社会各界からの救援により、2011年1月5日、やっと救出された。

 政治異見者の王万星さんは1992年6月、天安門広場で「六・四天安門事件」を記念した行為により逮捕されて、公安部に所属の北京安康病院(精神病院)に入れられ、2005年8月、やっと釈放された。

 中国共産党の前総書記趙紫陽が軟禁されている時、その家族の世話をしていた前北京市の警官である李金平さんは、民間で趙紫陽を哀悼する活動を組織し、趙紫陽の名誉回復の活動をしたため、200日あまり北京朝陽精神衛生センター(朝陽第三病院)に送り込まれた。

 法輪功迫害に加担

 1999年7月、中国当局は法輪功を弾圧、迫害して以来、精神病院は法輪功学習者を迫害する手段の一つになっている。国連人権組織の調査によれば、中国当局は中枢神経に作用する薬物や精神病院を利用して、法輪功学習者を迫害している。殆どの精神病院がこのような迫害に加担している。

 当局は法輪功学習者を「洗脳」するために、精神病院に入れて中枢神経を破壊する薬物を投与し、様々な体罰を行ったことによって、多数の人が心身に大きな障害を残したり、死亡した。

 その実例としては、河北邯鄲の法輪功学習者の劉勇さんは2001年6月から、保定精神病院に11年間拘束されていた。内容が分からない薬を投与されて、一時生命の危機に陥った。

 安徽建築工程学院環境芸術学部の呉暁華助教授(女性)は、数回も精神病院に入れられた経験があり、ごく最近は2010年7月22日、合肥市精神病院に入れられて迫害されていた。後に安徽宿州第3女子刑務所に移されたが、重なる迫害により現在歩行不能で、失禁状態になった。

 南京十四所(中国電子科学技術グループ第十四研究所)の法輪功学習者の張玉竜さんは、2001年から精神病院(南京脳科病院)に監禁されて今も釈放されていない。不明な薬物を投与されて、精神状態が非常に悪く、今では自立した生活はできない。

 湖南湘潭鋼鉄会社の法輪功学習者の李日清さんは2010年に湘潭市精神病院の迫害により死亡。山東の法輪功学習者の蘇剛さんは警察により精神病院に入れられて迫害され、2000年6月10日死亡。2001年5月11日、保定市金荘郷銀定庄村の法輪功学習者の栄鳳賢さん(女性)は保定精神病院に入れられ、不明の薬物が投与された翌日死亡、32歳だった。このようなケースはまだたくさんある。

 公安部門に属する精神病院の役目

 「ドイツの声」の報道によると、東南政法大学法律学家の張贊寧氏は「精神衛生法」の実施に関して以下の意見を発表した。「以前多くの『被精神病』のケースは主に公安局に直属する精神病院で発生したが、行政部門が管理している精神病院の中でも起きている。しかし私が疑問視しているのは、なぜ公安局が精神病院を経営する必要があるのか。その目的は間違いなく罪名をつけにくい政治異見者、陳情者などの刑罰を処し難い人を精神病院に送るためである。新しい『精神衛生法』は公安部門の精神病院経営権を取りあげていないから、公安部門にとって、政治異見者、陳情者などを『精神病』として処理する自由な空間は依然残されている」

(翻訳編集・東方 誠)


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