情報BOX:新型肺炎、武漢からの自国民退避急ぐ各国政府

2020/01/31
更新: 2020/01/31

[31日 ロイター] – 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が広がっていることを受けて、各国は武漢からの自国民退避を急いでいる。

以下、現在までに判明している各国の退避計画をまとめた。

◎日本

31日までにチャーター便3機で合計565人の邦人が帰国。茂木敏充外相によると、なお帰国を希望している邦人が約140人いるが、4回目のチャーター便の時期ついては調整中。「今週中はない」見通し。

◎米国

外交官や政府職員50人を含む220人が乗ったチャーター機が武漢から帰国。

米国務省は30日、2月初めをめどに追加の帰国便を派遣する方針を明らかにする。

◎カナダ

外相によると、武漢にいるカナダ国民は167人。外相は、自国民を退避させる可能性は排除しなかったが、現時点で具体的な計画があるとは示唆しなかった。

◎オーストラリア

モリソン首相が、湖北省に在留する一部市民の退避を支援する方針示す。同省に在留登録しているオーストラリア人は600人。何人が支援対象となるかは明言せず。また同省に在留するニュージーランド人や太平洋諸島の人々に対しても支援の方針。

◎韓国

368人を乗せた武漢発のチャーター機がソウルに到着。乗客は2カ所の施設に移送され隔離された。

◎インド

外務省報道官は28日、自国民の退避を準備中と説明。地元メディアは同日、推定250人を武漢市から退避させるために、エア・インディア機が待機していると報道。

◎タイ

政府閣僚によると、2月1日に自国民を帰国させる飛行機を武漢に派遣する予定。

◎英国

英政府によると、英国人83人と英国籍以外の27人を乗せた航空機が武漢を出発。1300GMT(日本時間午後10時)に英国に到着する予定。そこで英国人を降ろした後、欧州連合(EU)国籍の人々の一次受け入れ先であるスペインに飛ぶ。

ランカスター公領相のゴーブ氏は英国民の退避に必要なら追加便を派遣する考えを示す。

◎フランス

すでに一部のフランス人が退避。

フランスの運輸担当省高官によると、最初のチャーター便は症状が出ていない人が対象で帰国後は隔離措置に。第2便はまだ決定していないが、症状が出ている人が対象でパリで治療を受ける予定。

武漢から自国民を退避させるための最初の航空機が29日にフランスを出発する。当局者によると、この第1便は症状が出ていない人が対象で、その後の第2便では症状が出いている人を運ぶ。ビュザン保健相によると、現在、武漢市には500─1000人のフランス人が在住ないし滞在しているという。

◎ドイツ

武漢にいる90人を退避させる計画。

◎スペイン

外相によると、武漢からの自国民退避に向け、中国および欧州連合(EU)と調整中。

◎オランダ

通信社ANPによると、武漢から20人の自国民を退避させる手法を検討中。

◎ロシア

中国のロシア大使館によると、武漢と湖北省からの自国民退避について、中国と協議中。

◎カザフスタン

外務次官によると、学生98人の武漢からの退避を許可するよう、中国政府に要請した。

◎モロッコ

100人(大半が学生)を武漢から退避させる計画。

Reuters
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