トランプ米大統領と習近平による首脳会談が行われた24日、米主要5テレビ局の共同取材映像は配信されず、歓迎式典なども生中継されなかった。トランプ政権がCNNなど3社のホワイトハウス取材を制限したことを受け、各局が共同取材を停止していたためだ。米テレビでの訪米報道を期待していた中国側からは、映像が十分に届かなかったことを惜しむ声が出た。共同取材は25日に再開された。
トランプ大統領は習近平の訪米直前、CNN、MS NOW、Politicoの3社について、「虚偽の報道を繰り返している」として、ホワイトハウスへの立ち入りを禁止すると発表した。これを受け、ABC、CBS、CNN、FOXニュース、NBCの5局は、大統領の行事を取材するテレビ記者の輪番制を一時停止することで合意した。輪番制の停止期間は、習近平の訪米と重なった。
9月23日夕方、習近平は妻の彭麗媛とともにアンドルーズ統合基地に到着し、トランプ大統領夫妻の出迎えを受けた。5局はいずれも、この場面に加え、翌24日にホワイトハウスで開かれた歓迎式典や、その後の首脳会談も生中継しなかった。
CNNによると、習近平の側近らはこの状況に不安を募らせたという。訪米の様子がアメリカのテレビで広く放送されれば、習近平がトランプ大統領と対等な指導者であると、アメリカ国民に印象づけられると期待していたためだ。
訪米映像の露出減、中国側から「残念」の声
3社の立ち入り禁止を受け、中共側の関係者も対応を迫られた。協議内容を知る関係者2人がCNNに語ったところによると、中国大使館は複数のアメリカのテレビ局に連絡し、立ち入り禁止措置が習近平の訪米報道に及ぼす影響について協議した。
中国の国営メディアは、今回の首脳会談の取材に100人以上を派遣した。それでも、中国外務省顧問の呉心伯は25日、CNNの取材に対し、訪米の様子を映像でアメリカ国民に十分伝えられなかったことは「残念だ」と語った。
「米中関係の雰囲気を改善する助けになったはずだ」と彼は述べた。
CNNによると、習近平の外遊は行程の細部まで綿密に計画されており、とりわけアメリカ大統領との首脳会談では、メディアにどう報じられるかが重要になる。中共側は自国の国営メディアによる報道を細かく管理できる一方、訪問先のメディアや海外メディアにも自国の主張を取り上げてもらい、その説得力を高めたい考えだ。これまでも、アメリカや海外のメディアが報じた発言や映像を対外発信に利用してきた。
その後、アメリカの連邦判事が立ち入り禁止措置の差し止めを命じ、CNNなど3社の記者は24日正午にホワイトハウスの取材証を取り戻した。各テレビ局が、トランプ氏と習近平が茶会に臨んだ際や、米国立公文書館を訪れた際の映像を放送したのは、25日になってからだった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。