中国の宗教と人権弾圧

米議会公聴会、中国の宗教迫害と人権弾圧を議論 米著名俳優やミス・カナダも証言(2)

2016/03/05 09:04

 「明白な命題に怯える中国」 議長が声明

 CECCが開いた今回の公聴会は「共産党政権の中国での弾圧と支配」と名付けられた。議長クリス・スミス下院議員は声明で、「個人には平和的で公に信条を貫く権利があるという明白な命題に、中国当局は怯えている」と指摘した。最近の例として、2014年以降、教会が掲げた1200本以上の十字架が撤去されたことを挙げた。

 共同議長であるマルコ・ルビオ上院議員は冒頭陳述で、当局が7月に200人以上の人権弁護士を一斉拘束したことに触れた。「法輪功、ウイグル民族、キリスト教徒など迫害される人々の権利を守ったため、弁護士らは『騒動を挑発し社会秩序を乱した重大犯罪グループ』と断罪された」と述べた。

 ルビオ議員は、拘留される弁護士の多くがキリスト教徒であるとし、今回の一斉拘束は宗教弾圧に繋がっていると明かした。また60~70年代の文化大革命以後、法律が制定されてからは最も厳しい法律関係者の取り締まりであるとも述べた。

 信仰と人権が奪われるウイグル民族、チベット民族、キリスト教徒

 23日の公聴会には、世界ウイグル会議議長のラビア・カーディル氏も証言に立った。新疆ウイグル自治区は、中国憲法でも信教の自由を保証すると定められているが、ウイグル民族は明らかに信仰と人権の抑圧を受けている。

 カーディル氏はインターネットで伝えられた、断食期にあった宗教的迫害について現地情報を述べた。「断食を止めさせるために、人前でスイカを食べることを強要」「学生は政府の規則に従っていることを『証明』するために、先生の前で水を飲むことを強いられる」。カーディル氏は同様の報告を多数受けており、これらは信用できる情報だと主張している。

 カーディル氏も迫害を受けた一人。中国の著名な富豪の一人で、1993年には中国人民政治協商会議委員も務めたが、民族問題で江沢民政権を批判し、失脚した。1999年に政治犯として逮捕され、6年間を刑務所で過ごした。2005年にアメリカ合衆国へ亡命した。

世界ウイグル会議議長のラビア・カーディル氏も米公聴会に出席(Gary Feuerberg/Epoch Times)

 チベット僧のロサン・ギャツォ氏は米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)チベット語代表を務める。ギャツォ氏は、共産党の弾圧は2009年以降、140人以上の自殺を伴う抗議を誘発したと述べた。

 直近の例では7月9日、27歳のチベット僧が焼身自殺を図ったため、現地公安当局は身体を持ち去った。この僧侶は1週間前、無念さをメモに残していたという。「政府はチベット仏教、伝統、文化を根絶やしにして、環境を破壊して、さらに表現の自由は一切ない。この場合、私達の状況を訴える方法はもうない」

 チベット問題については、ハリウッド俳優のリチャード・ギア氏も言及している。7月14日、米下院のトム・ラントス人権委員会の公聴会に出席し、持論を述べた。ギア氏はチベット自治区と同民族の擁護を訴える著名人として知られ、精神的指導者ダライ・ラマ14世とも親交を持つ。

 ギア氏は同12日に獄中死した、チベット高僧テンジン・デレク・リンポチェ氏の写真を掲げ、「信教の自由が侵害され、厳しい人権状況と不正に耐えているチベットの悲劇」と述べた。また「チベットは文化の生き残りのようだ。中国政府の間違った方針により、絶滅の端に立たされている」とギア氏は付け加えた。

 中国のキリスト教人権団体・対華援助(China aid)代表ボブ・フー牧師は、キリスト教の弾圧がこの1年半でかなり拡大したと証言した。

 同団体が収集した情報によると、今年6月までの18カ月で、キリスト教会の多い浙江省を中心に約1500の十字架が撤去された。また教会や十字架が破壊されるのを防ごうとした教徒1300人以上が逮捕、拘束されたという。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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