大紀元評論・夏小強

習近平と李克強との関係 腹心か、それとも敵か(3)

2017年03月24日 09時00分

習近平と李克強

 李克強氏は、習近平氏と違い、「太子党」でもなく、「官二代」でもなく、輝かしい家庭背景がない。政界に入ってからも、その親族とともに利益集団を形成したことはない。

 さらに、両氏の間では根本的な利益衝突がなく、李氏には習氏を脅かすような政治的な要因を見当たらない。両氏の間で「権力闘争を行っている」との報道は、基本的な政治の常識に合わないだけではなく、意図的に「観念」を生み出そうとしているように見て取れる。

 江派閥が操るメディアが相次いで2人の権力闘争を報じた後、習近平陣営は反撃した。香港紙「明報」は昨年8月の評論記事で、権力闘争との報道は「全くの事実無根だ」と主張したのだ。

 中共機関紙「人民日報」は昨年5月に、習氏のブレーンとみられる匿名の権威人士が「中国経済はL字型」だという認識について掲載した。しかし、その前に李克強氏は「前期は良好だ」「楽観している」などと示したため、両者の考えが全く違っていると一部のメディアが騒ぎ出した。

 いっぽう明報は、「これは習氏と李氏の間で中国経済について見解が相違し、亀裂説を裏付けると伝えられているが、かならずしも習氏が国務院を管轄する李氏の実権を奪ったという結論に結び付くものではない」と報じた。

 また「中共最高指導部も、メディアが相次いで両氏の対立を報道したことに神経をとがらせたため、国内メディアを通じて李克強首相に関する報道を増やした。目的は明白だ」「国務院は、政府が各政策を着実に実施していく法的執行機関だ。誰であっても勝手に国務院総理の実権を奪うことができない。さもなければ、政令を執行するために各レベルの政府機関と各部門を協調することが不可能となる」と主張した。

 香港紙「経済日報」も昨年7月に掲載した評論記事では、「党内において、習氏と李氏はそれぞれの役割がある。……習氏は会社の会長ようなポジションで、会社の発展方向やその戦略を決める役割だ。李氏はその会社の最高執行責任者(COO)の役を担っており、日常の業務執行を統括している。立場が違えば、一仕事の認識も違うのは不思議なことではない」と指摘した。

 李克強首相は経済の面から、習近平氏が江派閥に対して行う反腐敗キャンペーンの一翼を担っている。経済分野で、習氏の反腐敗および中国政治全体に関わる計画の進展に協調している李克強首相と王岐山氏は、習近平陣営の主力だ。

江沢民派閥の狙いは?

(Getty Images)

 では、習近平政権と敵対する江沢民派閥が操るメディアは、なぜ習氏と李氏の対立が激しくなったと報道してきたのか?

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