性とジェンダー

「世の衰退か…」石原慎太郎氏、「女装タレントの大流行」に警鐘

2017年08月12日 12時00分

 言葉尻が厳しいことで知られる石原慎太郎・元東京都知事は、最近、性と表現のあり方に一石を投じた。

 ひさびさの「石原節」だ。8月2日、石原氏は自身のツイッターで「最近、女装した男のテレビタレントが大流行だが、あれは一体どう言うことなのだろうか。さっぱり訳が分からない。世の中が衰退し、何でもありと狂ってきた証なのだろうか」とつぶやいた。

 このツイートは、発信から10日で4750リツイート、3600の「いいね」、1300以上のコメントがついた。大半は「時代遅れ」など非難する声で、支持する意見はわずかだ。

 この話題のツイートは、特定の人物を名指ししていない。しかし、男らしさや女らしさが曖昧になる「ジェンダーフリー」思想を懸念する石原氏の姿勢は、過去の発言をみても、一貫している。

 石原氏は都知事時代の2004年、都の教育施策連絡会で、「ジェンダーフリーは滑稽千万」と切り捨てた。2011年にも、雑誌「週刊ポスト」の取材で、「同性愛の男性が女装して、婦人用化粧品のコマーシャルに出てくるような社会は、キリスト教社会でもイスラム社会でもありえない。日本だけがあっていいという考え方はできない」と述べている。

安倍首相も 保守派は「ジェンダーフリー」反対を言明

2005年4月に東京赤坂の自民党本部で開催された
「過激な性教育・ジェンダーフリー教育を考える
シンポジウム」
(動画スクリーンショット)

 石原氏が触れたように、歴史や宗教の側面から、保守的な政治家や論者は、性と表現の「多様性」を容認しないとの見方をはっきり示している。

 日本では1999年、男女共同参画基本法の制定後、ジェンダーフリー思想や性教育が一部の教育指導書に書き入れられていった。問題が露呈するのは2002年。神奈川県相模原市の教育委員会が配布した、小中学校での性教育指導の内容が「過激すぎる」として社会問題になった。

 2005年、当時、自民党幹事長代理だった安倍晋三議員(現総理大臣)は「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を立ち上げ、座長に就任。自民党広報メディア「デイリー自民」によると、同年5月に東京赤坂の党本部で開かれた同チーム主催のシンポジウムで、安倍氏は「女性がのびのびと能力を発揮することは大切だが、結婚や家族の価値を認めないジェンダーフリーは文化の破壊につながる」と述べた。

 チームのメンバーで高崎経済大学の八木修次助教授 は「ジェーンダーフリーは社会主義、マルクス主義思想、性教育は原始共産制のフリーセックスを連想させる教育思想が背景にある」と指摘した。

参考記事:ソ連の「フリー・ラブ」実験の失敗(1) ソ連の「フリー・ラブ」実験の失敗(2)

ジェンダーフリー教育の横行の是正を掲げる、神道派の保守系組織「日本会議」は、安倍氏の思想に影響を与えているとされる。

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