中国臓器移植問題

「臓器の空輸」南方航空は1年で500件以上を運搬=中国メディア

2017年10月12日 10時00分

 中国官製メディアはこのほど、民間航空会社・中国南方航空は少なくとも昨年5月から現在まで500件以上の移植用生体臓器を空輸したと報道した。これについて中国臓器移植問題に詳しい専門家は、中国では出所不明の生体臓器の供給源が豊富であることを、あらためて浮き彫りにしたと指摘した。

「運送成功率は100%」と臓器空輸の成功をアピール

 報道によると、国家衛生計画育成委員会や公安部など6つの政府機関は2016年5月、各航空会社に対して、生体臓器を迅速に運送するルートの確立を要求した。なかでも、すでに運搬を始めている南方航空について「運送成功率は100%」と称えた。

 「民間航空会社1社だけが1年間で500件以上の臓器を運んだ。驚くべき数字だ。しかし、この発表件数は氷山の一角に過ぎないだろう」。中国の臓器移植問題や法輪功迫害について調べる国際組織「追査国際」(WOIPFG、本部=米国)代表で米ハーバード大学医学研究員の汪志遠氏は、大紀元の取材にこう述べた。

大紀元特集・中国臓器狩り

 需要に応じて「ドナー」の臓器が本人の意志に関係なく摘出され、証拠隠滅のために身体は焼却されるという、オンデマンド殺人「臓器狩り」について、WOIPFGは独自調査をもとに問題を訴え続けてきた。これについてドキュメンタリー映画『臓器狩り10年の調査』が詳しい。

 汪氏が今回、この「南方航空1社で臓器の空輸が年間500件」との数字を予想外とする訳は、通常、中国の移植臓器は「現地調達」と推定されてきたからだ。臓器移植には、臓器保存方法や患者とのミスマッチなど医学的な問題が多分に起こりうる。

 WOPIFGの調べによると、ドナーは中国全土の各収容所にいる政治犯や法輪功学習者、チベット人、ウイグル人など「良心の囚人」を含めた収監者であるとし、人民解放軍総後勤部が臓器バンクを管理し、臓器移植手術を行う病院は軍関連の病院が多いという。

 中国臓器移植問題に詳しい、台湾国際臓器移植関懐協会の黄士維・副理事長は「当局は、移植用の臓器を速く輸送できたと自画自賛している。疑惑の多い臓器の出所や、ドナーは誰なのかなどは、全く触れていない」と指摘した。

軍用機から民間機へ 臓器の空輸ルート拡大

 在米中国問題評論家の鄭浩昌氏は、共産党、人民軍、医学界が、患者の希望通りに臓器を入手できる「臓器バンク」を極秘に管理し、「人民解放軍が『臓器バンク』を厳重に警備している」とした。過去、臓器の空輸は軍の航空機で行っていたが、今回、当局が民間航空会社に輸送を命じたのは、臓器の需要の拡大で空輸ルートの増便のためだと推測できる」と述べた。

 汪氏は「中国当局は、豊富な生体臓器源を全国にもっている」と指摘した。「WOPIFGが入手した情報では、収監された『良心の囚人』は、定期的に血液検査や身体検査を受けており、常に臓器移植用のデータを準備している。患者が現れると、その膨大なデータから、患者と適合する人物を選ぶ。当局は、その人物を病院所在地に連行したり、看守所などで直接、臓器を摘出して空輸している可能性もある」。

 今年8月に雲南省昆明市で開催された「2017年全国人体臓器提供・移植工作会議」では、「中国臓器移植界の権威」とも呼ばれる人体臓器提供・移植委員会の黄潔夫委員長は、「中国は2020年までに、世界トップの臓器移植大国になる」「2020年までに移植病院を300軒、移植仲介コーディネーターも5000人に増やす」と述べた。規模の拡大をアピールしているが、いまだに大量の移植用臓器の出所や、ドナーが誰かなどの説明を拒んでいる。

WOPIFGが7月に公表した調査報告によると、中国国内で年間の施術件数が数百件から千件にのぼる病院は、約100軒あるとした。

(記者・唐仙雅、翻訳編集・張哲)

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