THE EPOCH TIMES

焦点:中国の賃貸住宅拡充へ、銀行に損失覚悟の融資促す

2018年06月11日 21時00分

[深セン 5日 ロイター] - 中国政府は、国内の銀行や保険会社に対して賃貸住宅市場の発展加速を後押しする融資を行うよう働き掛けている。賃貸料を低く抑え、価格が高騰して投機が横行する住宅販売市場の過熱を冷ますのが狙いだ。

ただ、リスクに見合う収益を得られそうにないため、政府の要請には大手国有銀行しか応じていない。

ロイターの試算によると、大手国有銀行が不動産開発会社やリース会社などを含む賃貸住宅市場向けに実行を約束した融資は合わせて3兆元(4670億ドル)を超える。昨年の賃貸住宅市場の規模は1兆3000億元だった。

最も分かりやすいのは、国内第2位の中国建設銀行<0939.HK> <601939.SS>の取り組み。昨年11月に住宅の値上がりが激しい深センで、長期・超低利ローンを賃貸人に貸し出す試験的なプログラムを始めた。賃貸人は無担保で最大100万元(15万7000ドル)を借りて、返済期間も最長10年に設定することが可能だ。

建設銀の幹部は、賃貸住宅市場拡大について「中央から地方まで政府は非常に熱心だ」と話す。政府は税制や用地提供の面での支援策を検討しており、建設銀は引き続き資金提供の方策を探っているという。

プロダクトマネジャーのLiu Fengさん(28歳)は建設銀の融資制度を最初に利用した1人。深センで90平方メートルの3部屋が備わった集合住宅を借りて建設銀から融資を受けた。毎月の支払い額は金利分を含めて6000元程度と、自身で家賃を支払う場合よりも少なく、実質的に建設銀から補助を受けている状態だ。

「不動産開発業者は物件を建設銀にリースし、私は建設銀から物件を借りている」という。

大手銀では中国工商銀行<601398.SS><1398.HK>が広州で建設銀とおなじような融資制度を開始し、中国銀行<601988.SS><3988.HK>も厦門で最初のローンを貸し出した。

しかしこれまでのところ超低金利・長期の賃貸向けローンを手掛けるのは大手国有銀に限られている。関係者によると、中小銀行は債務不履行のリスクや高コスト・低リターンを懸念。銀行は賃貸住宅市場を支援する姿勢を見せるよう圧力を受けており、市場の実勢を下回る金利で融資を実行せざるを得ず、損失を被る公算が大きいという。

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