THE EPOCH TIMES

5Gをめぐる米中の主導権争い 「中国の手に入れば世界を監視下に」

2018年07月11日 17時52分

米国と中国は6日、互いに340億ドル相当の輸入品に対して25%の関税を上乗せする措置を実施し、貿易戦に突入した。米メディアCNBCはこのほど、米中貿易戦ぼっ発の背景には、世界的な経済効果が12兆3000億ドル(約1365兆3000億円)に及ぶ5G(第5世代移動通信システム)産業をめぐる米中の主導権争いがあるとの見方を示した。中国共産党政権が5Gの主導権を手にすれば、世界各国の政府と国民が中国当局の監視対象になる可能性が高い。

5Gによる経済効果

5G通信システムの特徴は「超高速」、「大容量」、「同時多接続」「低遅延」などが挙げられる。同システムの普及で、人工知能(AI)技術、車の無人自動運動、ロボット技術など本格的なサービス化が加速化するとみられる。

現在、2020年に5Gの商用化を目指して、国際電気通信連合(ITU)や3GPP(各国主要通信事業者や通信機器メーカーが参加する国際標準化団体)が5Gの国際規格標準化を進めている。

3GPPは6月14日、5Gの初版の標準仕様策定を完了したと発表した。

米通信大手のクアルコムが昨年1月に発表した調査によると、5Gの普及で、2035年までに世界各国の小売り、流通からエンターテインメントに至る様々な業界に、最大12兆3000億ドルの経済効果をもたらされる。

「米は国防上で5Gを必要とする」

米CNBCは6日の報道で、米中貿易戦の本質は、5Gをめぐる米中の主導権争いにあるとの見方を示した。現在中国通信大手の中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ)が5G技術開発において、欧米同業との主導権争いを強化し、その影響力を高めようとしているとした。

現在進められている標準化の主導権を掌握すれば、将来の世界5G通信システムや重要なハイテク産業、世界経済まで支配下に置くこともありうる。

欧米各国は、中国当局が指導権を握ることに強く警戒している。5Gネットワークが中国に支配されると、西側諸国における中国当局のスパイ行為が激増し、国家安全保障の脅威になる、と懸念している。

今年5月、米中通商交渉で中国訪問を控えた米国のロス商務長官はCNBCの取材に対して、5Gについて「トランプ政権の重要な政策の1つだ」と明言した。長官は「ビジネスの面だけではなく、国防上の理由でも、米国は5G技術を必要としている」と、中国を念頭において話した。

トランプ米大統領は3月12日、シンガポール半導体大手のブロードコムによる米クアルコムへの買収について、国家安全保障上の理由で禁止する命令を下した。ブロードコムは中国企業と近い関係があるとみられ、中国当局がブロードコムを通じて、クアルコムの技術を不正に入手する恐れがあるとされた。

一方、クアルコムは他の米同業とともに、5Gの国際規格標準化の策定において、リーダー的な役割を果たしている。

対米外国投資委員会(CFIUS)は3月、クアルコムがブロードコムに買収されば、開発研究などへの投資が減り、「イノベーション向上ができないため、クアルコムが弱体化するだろう」との懸念を示した。また、CFIUSは、クアルコムの弱体化を隙に、中国当局が支援する企業が5G標準化の主導権を奪うとした。

米の不満

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