村上氏、インサイダー取引を全面的に認める=阪神株は売却へ

2006年06月05日 13時17分
ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引疑惑で、M&Aコンサルティング(村上ファンド)を率いる村上世彰氏は5日午前、記者会見を開き、証券取引法違反(インサイダー取引)を全面的に認めた。すでに検察の事情聴取に対して罪を認めるサインをし、起訴は免れないとした。一方、今後は証券市場から身を引く姿勢を明らかにした。

 <検察の聴取に対して罪を認めるサイン>

 村上氏は会見で、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引疑惑について「罪を認めて甘んじて(罰を)受けるのがやるべきことと判断した」と語った。何らかのかたちで「起訴されることは間違いない」とも述べた。

 すでに検察の事情聴取に対して、証取法違反を認める供述を行い、供述調書にもサインをしたという。

 村上氏は、ライブドアがニッポン放送株式を取得する際に、幹部から事前に話を聞いていたことを明らかにしたが、ニッポン放送株の取得は、フジテレビとの資本関係のゆがみを直すのが趣旨で「決して(それで)儲けようとしたわけではない」と強調。しかし、「(ライブドアの大量取得を)聞いてしまい、知ってしまった。そのことは罪に問われても仕方がない」と語り、証取法に抵触するのはやむを得ないとの考えを示した。

 村上氏はまた、証取法違反を受け、証券市場からの引退を表明。「証取法を犯した以上、今日をもって証券市場から身を引く」と語った。ファンドの今後については、従業員に会社を譲ると述べるとともに、ファンドの解約期限は12月だが、投資家からの申し出があればそれ以前に解約に応じることこともありえるとした。

 <阪急・阪神のTOBには協力>

 村上ファンドは会見に先立ち、筆頭株主になっている阪神電気鉄道<9043.T>に対する株主提案を取り下げるとともに、阪急ホールディングス<9042.T>による株式公開買い付け(TOB)が成立するように株式の売却を検討すると発表。

 村上氏は「TOBが成立するように売却したい」と述べ、基本的には全株を視野に売却する考えがあることを示した。同ファンドは約7つのファンドを保有しているが、村上氏は総額4000億円の規模であることを明らかにした。阪神株の売却により、1800億円の現金が入ってくる予定で、ファンド総額の3分の2が現金になるとした。

(ロイター6月5日=東京)

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