中国、民衆抗争発生件数、近年来最多の見込み

2006年12月22日 10時48分
 【大紀元日本12月22日】今年中国では、権益の不公平により誘発した民衆抗争事件が多く発生した。その件数と規模は、昨年の8万7千件を上回り、近年来最多になると言われている。特に、今年の抗争事件は、これまでのものに比べると、青年や学生が大勢抗争に参加するという傾向が見られた。

 香港「明報」の報道によると、1994年から2003年まで、中国の民衆抗争事件は年間1万件から6万件まで急増し、関係者の人数も73万人から307万人まで増加した。さらに、昨年は8万7千件まで増加した。

  今年の抗争事件は、土地収用、住宅の立ち退き、リストラなどの従来の誘発原因以外に、大勢の青年や学生が抗争に加わる傾向が見られた。これらの事件は、表面的には互いに関連性がないように見えるが、その発生原因、事件の経過及びその結果を合わせて総合的に分析してみると、現在の中国社会の各方面で深刻に衝突が起きている縮図を描き出すことができる。

 土地収用、リストラなどの中国社会の長年にわたる持病は、依然として民衆抗争事件の主な誘因になっている。11月に各地で発生した10数件の大規模抗争事件で、土地収用に関連するのは、4件である。この類の事件の原因は、すべて大同小異である。つまり、村の役人たちは、勝手に村民の土地を売り払ったが、農地を失った村民が土地の売却金をもらえず、生計困難に陥り、何度も上級の政府部門に直訴に行っても問題を解決できず、やむを得ず集団抗争を起すが、結果的には激しい抗争により、村民たちは血を流して命を落としても、事態は依然として解決には向かっていない。

 都市部で発生した抗争事件は、通常住宅の立ち退きによるものである。典型的な事件例としては、不動産業者が政府から土地の開発権を買い取ってから、期日を限定してその土地に住む住民を立ち退きさせる。もし、住民たちが、立ち退きの条件に納得せず、引越しをためらうならば、政府は強制的に住宅を取り壊すことになる。これに対して、住民たちは抵抗すれば、政府は「暴力で法の執行を妨害する」という罪名で、抵抗者を逮捕する。

 都市部でもう一つ抗争事件を誘発する原因は、リストラの問題である。一部の国有企業は私有企業に変ったとき、労働者が多量にリストラされて、生計が困難に陥る一方、元の国有企業の管理者たちは、私有化へ転換などの土地転がしで膨大な利益を手にした。これにより、労働者たちのストライキや座り込みの事件を引き起こしている。

 世論調査の結果によれば、中国民衆が現在最も関心を持ち、同時に政府に最も不満を抱いている問題は、教育と医療の問題である。今年、河南鄭州、湖北荊州、江西南昌、広東広州では、学生の集団抗争事件が発生した。これらの事件は、全部民間が経営する大学で起きたことである。大学入試の成績が良くなく、正規の国立大学に入れなかった学生は、やむを得ず民間が経営する大学に入ったが、多大な費用と4年の時間をかけて勉強したのに、学校から約束してくれ卒業証書をもらえなければ、騙されたと思い、極端な手段に走り学校に報復を図った。

 医療紛糾の事件は 教育問題に勝るとも劣らない。今年10月初めに、四川省広安で、2000人の民衆が広安第二病院の玄関で抗議して、警備員と衝突を起したのは、その一例である。

 教育と医療の問題以外、所得分配、社会治安、環境保護などの領域でも、集団抗争事件が発生している。北京で愛犬家たちが当局の犬の強制処分政策に抗議する事件が発生し、広州で民衆は当局の自動二輪車の使用規制に抗議する事件が発生した。これらの事件は、当局が市民の生活に密接に関わる政策を実行する前に、民意を無視して、強硬な政策執行する体質を反映している。

 これらの事件に対して、政府とメディアは、「陰湿的な企みがある」「挑発的な行為」などの言葉で批判している。これは、当局と民衆の間の深い対立を窺わせている。権力を持っている当局側は、事件の原因を調査、把握する前に、すでに習慣的に事件の責任を、権力を持たない民衆側に押し付けている。時に国家暴力(警察や軍隊)を持ち出して抗争事件を弾圧する場合も現れている。

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