ローマ教皇庁:信仰の自由の障害、中国「愛国会」を譴責

2007年02月01日 10時46分
 【大紀元日本2月1日】バチカンはこのほど「非公開」会議を開き、ローマ教皇庁と中国の外交関係問題について討論した。ローマ教皇・ベネディクト16世も出席し、陳日君・枢機卿らは中国愛国会の「悪行」が、中国における信仰の自由にとって障害になっているだけでなく、バチカン・中国の関係正常化にとっても最大の障害であると指摘した。また、教皇は近いうちに、中国の信者宛てに公開状を発表し、愛国会を排斥するよう呼びかける。中国政府に愛国会を取り締まってもらうのがその目的だ。

 バチカンの情報を専門に発信する「アジア新聞通信社」によると、公開状では中国の信者たちに対して、中国愛国会の本当の姿を知らせ、愛国会の種々の「悪行」を直接に列挙する可能性もあるとし、さらに、地上および地下教会を統一させ、愛国会の影響力を抑制する内容を繰り込むという。公開状発表のほかに、教皇庁は中国問題を取扱うための常務委員会を設立し、愛国会と長期にわたる宗門闘争に挑むと示唆した。

 ここ数年間、ローマ教皇庁と北京は外交関係を建築しつつ、大陸においてローマ教皇が主教を指名し、愛国会が祝典をおこなう「共同祝典」機制を構築するなど、大陸のカトリック教の状況は一度改善されたかのように見えたが、長くは続かなかった。昨年だけでも、バチカンを無視した聖典行事が三度行われ、これを愛国会の劉柏年・副主席と葉小文・宗教事務局長が指導監督した。

 情報筋によると、愛国会は祝典を行うために手段を選ばなかったという。「アジア新聞通信社」は、愛国会はこれまでに2人の主教を祝典へ強制的に連行し参加させたりし、指名された主教候補者および祝典を司会する主教に対して脅迫したりした。甚だしくに至っては、祝典に参加した信者たちに奨励金を配布したり、祝典はローマ教皇庁の認可を得ていることを偽ったりしていることを明らかにした。

 情報筋によると、中国当局が認定した教区97の中に、北京の傅鐡山・主教を含む、少なくても45箇所は主教が空席になっており、または高齢である。ローマ教皇庁は、愛国会が無断で祝典を行い続け、認定されていない主教を勝手に配置することを危惧しているという。また、愛国会は地下教会に対して摘発し、公安警察を率い信者を強制的に自宅から連行したりして、信者たちに対して制圧を加えたという。実際、昨年12月27日に河北省では、地下教会の神父9人が強制連行され、そのうち5人は未だに監禁されている。アジア新聞通信社によると、現時点では少なくとも地下教会主教17人が、依然と行方不明になったままか強制連行、または隔離されており、神父20人が監禁されている。

 カトリック教会と愛国会および中央・宗教局との関係は、教会の多くの財産を横領したことが原因で、関係は崩壊寸前だ。中国の法律では、文化大革命時に中央により接収された教会の財産は、カトリック教会へ返却することになっているが、愛国会は、それら不動産などを売却したり、ホテルに回収したりして着服した。香港聖神研究センターの報道によると、愛国会および中央の宗教局が不法に横領した信者の献金は、総額で1300億人民元(約1兆9千億円)に上る。

 共産党の理想とカトリック教信仰を調和するために1957年に設立された愛国会は、長期にわたり権力を弄し、カトリック教信者に対して、高圧手段による統治と制圧をしてきた。情報筋によると、少なくない「正常な」教会は、愛国会および中央・宗教局に対して、これ以上我慢できなくなったため、愛国会を飛び越え、ローマ教皇庁と直接の協力関係を構築し、すでに信者総数の85%を占めている。ローマ教皇庁はこの数字を把握していることから、愛国会を締め出す条件が熟したとみて今回の決定を出したとみられる。

 情報筋によると、ローマ教皇庁は、北京側はバチカンと外交関係を正常化する意向があり、中国外交部も愛国会がすでに過去の産物としていることから、北京側は2008年オリンピック開催するまでにバチカンと国交を結び、中国の国際イメージ・アップをしたいとみている。しかし、中国の外交系統的な考えは本当にそうであっても、イデオロギーを管理する部門での考えは顕著に異なっている。中共上層部指導者の強いバックがついていなければ、劉柏年と葉小文らはここまで好き放題に、公然に政府とローマ教皇庁が合意した協議に対抗することはできない。

 20数年間の改革を経過した中国は確かに以前より開放的になったが、中国は一貫して自由国家ではない。イデオロギーの分野は依然として、影響力の大きい国体の重要な部分である。「法輪功」や「香功」などの精神的な修養団体が社会に台頭してくると、厳しく弾圧するのが、中共中央の「性質・性格」だ。地上・地下の中国カトリック教信者約1300万人をやすやすとバチカンの管理・指導に任せるとは思えない。

 バチカンの今回決定は、大陸のカトリック教信者たちに呼びかけて、愛国会への排斥活動を広めるためだが、最終的な目標は、「北京当局が愛国会を取り締まる」ことだ。世界の警察である米国のキリスト教右派の共和党政権が、大陸のキリスト教信者が「地下に潜伏して」礼拝する姿に愁眉の念が強いだけに、北京五輪が近づくにつれ中国の「宗教開放」が世界から問われ、そのホスト国としてふさわしい健全さを有しているかどうか、ローマ教皇庁の目論見は別として、双方の「宗門争い」は、これから本格化するだろう。

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