中国GDP、第1四半期で10%縮小 過去最悪=調査

2020/03/26
更新: 2020/03/26

四半期ごとに経済分析報告を出す米コンサルタント会社チャイナ・ベージュブック・インターナショナル(CBB)によると、中国経済は第1四半期に10~11%縮小し過去最悪となった。

2月13日~3月12日まで中国企業3300社を対象に実施したこの調査によると、企業の売上高と利益が同時に落ち込む現象がみられた。また、ほとんどの企業が業務再開を主張しているという。

中国国家統計局16日の発表によれば、小売売上高が20.5%減、固定資産投資は24.5%減で、いずれもマイナスは初めて。鉱工業生産は1990年以降で初めて減少した。このことから、ロイター通信は「1970年代の文化大革命以来の厳しい経済状態を今年1~2月に経験した」と報じた。

今回の中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生により、中国では交通機関の乱れや生産の停止が発生している。このため、同報道では、中国政府は国内の感染減少を主張し、「数週間前のV字回復」といった楽観論を示したが、海外の感染拡大でほぼ実現不可能だと伝えられた。

CBBによると、 他国の経済活動の回復が難しいため、「北京のコントロール外の要因になる」とした。また、世界経済の弱さから、4~6月(第2四半期)も低調な数字になる可能性があるという。

CBBの調査対象となった企業経営者の4分の3近くが、第1四半期に収益が減少したと回答し、サービス部門の損失が最も大きかったと述べた。BtoB(企業間ビジネス)事業の半分近くは、四半期の売上高の減少幅が10%以上だった。

「全国的には、営業利益率がマイナス26となり、収益性指標はマイナス22に低下した」と報告している。

中国政府の発表によれば、この2週間で大企業の8割、9割近くは生産を再開した。日本の日産やホンダも中国の全工場を稼働させた。しかし、中小企業の再開率は6割程度にとどまっている。

米メディアCNBCは、CBBの常務取締役シェザード・H・カジ氏の発言を引用して、「(3月の)生産高の縮小は2月よりもさらに大きくなり、従業員の労働週数はさらに短縮され、雇用は減少し続けるだろう」と述べた。

ベージュブックの報告は、投資家が、中国経済の回復を過大評価し、それによって、世界経済の下振れを緩和する中国の役割を過大評価することに繋がる恐れがあると懸念している

大半のアナリストは現在、中国の第1四半期は経済収縮になると考えている。中国が発表した1、2月の経済データを受けて、アナリストらは中国経済の見通しを下方修正した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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