中国重慶:中学生暴行死事件で市民が抗議、暴動に発展

2007年07月04日 10時09分
 【大紀元日本7月4日】6月28日、中国重慶酉陽県鐘多鎮の鐘多中学校の学生が校門で暴行され、ナイフで刺され死亡した事件が起きた。同月29日午前、死亡した学生の家族が学校側の対応が遅れたため学生が死亡したとし、抗議したところ、警察らに殴打され、重傷を負った。警察当局の対応に激怒した千人以上の民衆が酉陽県政府前に集まり、横断幕を挙げ、抗議活動を行った。同日午後6時まで、抗議活動に加えた民衆はすでに1万人以上に上り、警察車両を壊すなど大規模な暴動に発展した。

 本紙記者が電話で酉陽県公安局にインタビューしたところ、職員は「事件はすでに解決した」「問題を起こしたのは何人かのチンピラと一時解雇された労働者たちだけだ」「そんなに人は多くない。せいぜい何百人ぐらい」と称した。また、記者が犯人は今拘留されているかどうかを質問したところ、相手は何も知らないと話した。

 しかし、記者が7月2日の抗議活動を目撃した人々にインタビューをした際、目撃者はその時約1万人以上の民衆が県政府の前で抗議活動を行ったと話した。また、目撃者の話によると、学生を殺した犯人は逮捕されたがすぐに釈放されたという。

 見て見ぬ振りする学校の警備員

 鐘多鎮住民の石さんによると、死亡した学生は鐘多中学校の一年生の董哲貴くん(音訳)で、学業が優秀で、学級委員である。しかし、同じクラスの普段から董くんのことを嫌う一人の学生が同じ中学校の三年生と一緒に、校門前で董くんに暴行を加えた。そのうちの中学三年生がナイフで董くんを刺したという。

 また住民の呉さんによると、6月28日午後2時ごろ、鐘多中学校正門から南へ約10メートル離れているところで、約十人ぐらいの学生が董くんを囲んで暴行を加え、三年生の劉宇がナイフで董くんの腹を刺したという。刺された董くんは学校の正門に向かって大声で助けを求めたが、学校の警備員が見て見ぬ振りした。その後、現場に行った人々が通報し救急車を呼んで、事件発生した30分後に董くんはようやく病院に運ばれたが、大量出血のため死亡した。

 学校の対応に抗議した家族は逆に殴打された

 また、石さんの話によると、6月29日午前5時ごろ、訃報を聞いた董くんの母親は学校の遅すぎた対応に抗議するため、董くんの妹や他の親戚と一緒に地元の板溪郷山羊村を出て鐘多鎮に向かった。董くんの父親は仕事で地元におらず、30日に戻る予定だった。

 29日午前8時、学校に到着し学校内に入ろうとする母親たちは学校側の職員たちに阻まれて、双方が衝突した。その後、学校の警備員が警察に通報した。現場に駆けつけた警察たちは直ちに電撃棒などを使って、董君の母親を殴り、足で蹴ったりした。また、防衛のため警官にかみついた董くんの妹も電撃棒で殴られ、頭に大けがを負われ、病院に運ばれたという。

 目撃者の話によると、母親は一連の衝撃な出来事に打撃を受け、精神的バランスが崩れ、気が狂ってしまった。また、30日に仕事先から戻ってきた父親は現在酉陽県政府に拘禁されたという。

 1万人が県政府前で抗議

 6月29日午前、董くんの家族が警察に殴打された後、千人以上の人々が集まり、董くん家族を殴った警官二人のID番号を書いた横断幕を挙げ、県政府までデモを行った。通りかかった人々も自発的に横断幕作りに加わり、デモに参加した。

 呉さんによると、抗議する人々が県政府に到着してから、県政府は正門を開けず、対応する職員が一人も現れなかったという。また、時間が経つにつれ、県政府前で抗議する民衆が徐々に増え、午後6時ごろにはすでにおよそ1万人が集まり、午後10時ごろ、政府の対応に怒った民衆は、警察車両を破壊した。そのため、翌日午前3時まで県政府前の道路が完全に閉鎖された。

 抗議現場を目撃した肖さんは、「午後9時から、2万人以上の人が県政府の前に集まったと思う。皆が興奮していて、水の入っているビンを使って警官に投げつけた人もいた。その後、雨が降り始めたが、皆その場を離れようとしなかった。抗議は翌日午前3時まで続いた」と話した。抗議活動後、二人が逮捕されたという。

 報道しない現地マスコミ

 また、現場目撃者によると、抗議現場にいる民衆は電話で現地マスコミに連絡したが、取材に来たマスコミが一つもなかったという。さらに、目撃者の楊さんは、「政府が(今回の事件の)報道を禁止した。酉陽地域のテレビ放送シグナルがオフされたようだ」と言った。

 釈放された犯人

 犯人の現況について、石さんは「暴行を加え人を殺した学生は逮捕された後に釈放され、今家族に監視されていると聞いた。具体的な原因は分からない。政府も公表しない」と話した。また、楊さんは「犯人は公安局にコネがあると聞いたことがある
現場に到着した軍の車両(大紀元)


現場に到着した軍の車両(大紀元)


絶望した母親(大紀元)


地面に倒れた絶望した母親(大紀元)

」と言った。

 (記者・辛菲)

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