【大紀元日本8月12日】米航空宇宙局(NASA)は6日、4個の巨大な銀河が衝突・合体する様子を撮影するのに成功したと発表した。撮影に使われたのは、NASAのスピッツァー赤外線宇宙望遠鏡で、4つの巨大な銀河が衝突し、その過程で数十億個の恒星が放出されているのが確認された。この4つの銀河は、激しい衝突の後、最終的には一つの巨大な銀河になると考えられており、新しくできる銀河の質量は、我々の住む銀河のおよそ10倍になるだろうという。
非常に稀な衝突と合体
この研究のリーダーであるハーバード-スミソニアン宇宙物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)のケネス・ラインズ(Kenneth Rines)氏によると、「これまで知られている銀河の合体方式は大多数が、2台の乗用車がぶつかるようなものだったが、今回発見されたのは、砂を満載した4台のトラックが衝突し、砂があたり一面に飛び散るような大規模なものである」という。
 | | 4つの巨大な銀河が衝突・合体しつつある様子(NASA提供) |
ラインズ氏たちの研究グループは、今回の発見に当たって、スピッツァー赤外線宇宙望遠鏡のほか、「MMT」と「WIYN」とよばれる望遠鏡も使用し、さらには、合体中の巨大な銀河の質量を測定するため、NASAのチャンドラーX線望遠鏡(Chandra X-ray Observatory)も使用した。
偶然の発見
今回の4つの銀河の巨大な合体は、スピッツァー宇宙望遠鏡を使って、地球から50億光年離れている「CL0958+4702」とよばれる大規模な銀河団を観測しているときに偶然発見したものである。銀河団の内部に、4つの楕円銀河が集まっている場所があり、そこから巨大な扇型の光が発せられているのを発見したのである。4つの銀河のうち、3つは我々の住む銀河と同じくらいの大きさだが、1つは我々の銀河の3倍くらいの大きさがあるという。
さらに詳しく分析した結果、この扇形の光は、衝突によってはじき出された数十億個の高齢の恒星から構成されており、そのうちの半分は、再びその銀河に戻ると考えられている。 | | 4つの巨大な銀河が衝突・合体しつつある様子(NASA提供) |
頻繁に発生する銀河の衝突・合体
銀河の衝突や合体は良く見られる現象で、決して珍しくない。近くの銀河同士が重力の作用によって引き寄せあい、数百万年後に合体して一つの銀河となるのである。
これまで観察されたもので比較的多いのが、大きな銀河が数個の小さな銀河を併合する「minor mergers(小さな銀河の併合)」と呼ばれるもので、かなり詳細に記録されているものとして、12個の小さな銀河を取り込み、現在も進行中の「クモの巣銀河」とよばれる巨大銀河が挙げられる。
ほぼ同じ大きさの2個の巨大な銀河同士の「major mergers(大きな銀河の合体)」とよばれる合体も観察されてはいるが、3個以上の巨大銀河の合体が発見されたのは、今回が初めてである。
我々の住む天の川銀河も、50億年後にはアンドロメダ銀河と合体するだろうと言われている。
ガスの少ない合体の過程
スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえたデータによると、今回の巨大合体ではガスがほとんど存在していないという。巨大な銀河の生成に際して、ガスが豊富に含まれる場合とほとんど含まれない場合があり、ガスが豊富に含まれる銀河の合体では、新しい星を形成するための種火となるガスが充満しているため、衝突によって新しい星が形成されるが、ガスがほとんど含まれない銀河同士の合体では、種火となるガスがないため、新しい星は形成されないと考えられている。
今回の4つの巨大銀河の合体では、放出されたのは高齢の恒星だけで、新しい星の形成が確認されなかったことから、科学者たちは、ガスがほとんど含まれていない合体だと考えている。
今回の研究の詳細は「Astrophysical Journal Letters」誌で発表されることになっている。
(07/08/12 08:03)
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