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警官殺傷犯、ネットで英雄に=上海

 【大紀元日本9月2日】今年7月、上海市で若い男性が、警官6人を刺し殺す事件が発生した。事件発生当初、民衆は残酷な殺人事件に強い怒りを示していたが、犯罪に至る背景があいつぎ明らかにされる中、追い詰められて犯罪に至った容疑者に同情する声が強まり、逆境の中で悪を退治する昔物語の英雄にも例えられているほどだ。

 容疑者の名前は楊佳(28歳)。7月1日、上海市内の某公安局にて刃物で警官を次々と刺し殺し、6人が死亡、4人が負傷した。

 後に公開されたネット上の情報によれば、楊容疑者は昨年、無登録の自転車を乗っていたため、同公安局の警官に連行され取調べを受けた。その際に、虐待を受け性器を強く殴られ大けがをした。

 中国官製メディアによると、その精神的損害賠償を求めるため、同容疑者が公安局を提訴したが裁判に負けてしまった。

 犯行後、容疑者は取調べに対し、殺人の動機は復讐であると自供したという。中国国内誌『南方週末』によると、同容疑者は犯行後、「私は法を犯しても、このような不公正な境遇を絶対に受け入れない」と警官に話した。

 8月26日、五輪閉会後に延期された本件への審理は、非公開で行われた。「南方週末」の編集長は開廷の翌日に電話取材で、「これはいわゆる『開かれた公平な審理』である。人々もどういうことなのかはわかっているはず。どういう判決になるのかは静観したい」と話した。

 ますます敏感になっている本件の審理に、上海のメディアは沈黙を保っている。
 
 9月1日、死刑判決が楊容疑者にくだされた。

 本案を審理する上海市第二中級人民法院(日本の高等裁判所にあたる)はコメントを拒否している。

 英紙デーリー・テレグラフの関連報道は、中国のネットサイトでの本件に関する書き込みを多く引用し、「楊容疑者は一種の象徴になった。中国の警察への抗議は増え続けている。つまり、こうした国家組織による暴力に抗議する人々の象徴である」と伝えた。

 楊容疑者には犯罪の前科がない。周囲の証言によると、バス乗車の際にはお年寄りに席を譲ったり、重い荷物を持ってあげたりして、性格の大人しい青年であるという。

 いま、中国のネットサイトでは、楊容疑者に同情する声が続発、中国古代の人食い虎(とら)を制する英雄・武松さんにも例えられている。

                   
(翻訳・編集/叶子)



 (08/09/02 06:53)  





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