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【漢詩コーナー】九月九日憶山東兄弟(王維)

 【大紀元日本10月17日】

九月九日憶山東兄弟 唐・王維

獨在異郷爲異客
Dú zài yìxiāng wéi yìkè
毎逢佳節倍思親
Měi féng jiājié bèi sī qīn
遙知兄弟登高處
Yáozhī xiōngdì dēng gāo chù
遍插茱萸少一人
Biàn chā zhūyú shǎo yìrén

(訓読)

九月九日 山東の兄弟を憶(おも)う

独り異郷にありて 異客(いかく)と為り
佳節に逢(あ)うごとに ますます親(しん)を思う
遥かに知る 兄弟(けいてい) 高きに登る処
遍(あまね)く茱萸(しゅゆ)を挿(さ)して 一人(いちにん)を少(か)くを

(日本語訳)

一人見知らぬ土地で、よそ者として滞在している。
おめでたい節句になるたびに、ますます親兄弟のことが偲ばれる。
おそらく今日は、家族揃って小高い山に登り、
みんな髪に茱萸(和名:かわはじかみ)を挿して団欒しながら、一人欠けていることを話しているに違いない。


 【ひとこと】

 九月九日は重陽の節句。中国ではこの日、家族揃って小高い山に登り、菊酒を酌み交わしながら、皆の無事息災を祈る。その際、災厄を払うため、髪に茱萸の小枝を挿す風習があったようだ。

 この詩は王維17歳の時のもので、自分の望郷の念をストレートに詠うのではなく、家族が自分のことを心配しているだろうと気遣うことによって、その気持ちを婉曲に表現してあたり、巧みというほかない。

 今年は10月7日が重陽の節句であった。中国には、迫害のために一家離散を余儀なくされ、流浪の生活を送っている人がたくさんいるし、迫害を逃れて海外に暮らす人々も数え切れない。

 彼らの家族団らんが一日も早く叶うことを心より願わん。

(雅)


 (08/10/17 00:00)  





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