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政府が発表したGDPの実質成長率7.1%とは裏腹に、現在中国では、失業が深刻な問題となっている。写真は、自分にできる仕事を書いた札を下げて道端で仕事を求めている遼寧省瀋陽市の労働者たち(Getty Images)

中央と地方の公表値に19兆円の差、中国GDP成長率、水増しの疑い

 【大紀元日本8月7日】中国国家統計局が今年上半期のGDP成長率を公表したのに続き、各省・市政府が相次いで各地の数値を発表した。31の直轄市や省・自治区がそれぞれ発表した数値の合算は、同時期の中央の統計より1.4兆元(日本円19兆円相当)も多く、中央が発表したGDPの10%に相当すると、中国国内のメディアが報じた。

 中国国内紙の報道によれば、先月中旬、中国国家統計局は、今年上半期の国内総生産(GDP)は13.9862兆元で、実質成長率は7.1%だと発表した。その後、全国31の地方政府も相次いでGDPを公表したが、地方別GDPの合計は15.37694兆元、中国国家統計局の公表数値より1.4兆元(19兆円)も多く、GDPの約10%が増えた計算となる。

 これについて、中国国内紙は、地方政府が最高指導部に実績を過大報告するため、GDPを水増しした可能性があると報じている。

 中南財経政法大学の葉青教授は、各地の統計に重複があることが問題だと説明し、「矛盾」が生じるのは、技術的な欠陥だとの見方を示した。しかし、一部の専門家は、GDPの10%に上る数値の差を説明するには、技術的な問題だけでは不十分だと指摘している。

 中国では、地方のGDPの合計と、国が発表するGDPデータが一致しないのは、今回が初めてではない。2006年には、8048億元、2007年には1.2464兆元の差が出ていた。

 単純な誤差では説明できない大きなGDP数値の差から、中国のGDP統計に対する信憑性が改めて疑問視されている。

 広東省省委書記・汪洋氏はかつて、地方官僚は良い数値を出すために、できあがった橋をわざわざ壊してまた造り直すようなことまでして、GDPの数値を増やしていると指摘した。

 中国紙「国際金融報」は、「地方政府と官僚が自身の成績アップのために統計数値を捏造するのは、よくあることだ。増えた1.4兆元は、虚偽の経済発展の実態を物語っている」と指摘した。

 香港紙「リンゴ日報」は、「中国の経済復興の信憑性は一体何割なのか」と問題を提起し、最高指導部が今年の目標としているGDPの8%台成長率もおそらく、水増しによって「実現」するだろうと釘をさした。

(翻訳編集・叶子)

 (09/08/07 02:10)  





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