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新疆自治区政府庁舎前に集まり、自治区党書記・王楽泉氏の辞任を求める民衆(AFP)

新疆ウルムチ抗議事件、国外メディアはこう見る

 【大紀元日本9月13日】去る9月3日、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市で、約1万人の漢民族住民が自治区政府前に集まり、大規模な抗議を行なった。注射針の通り魔事件が引きがねとなった治安悪化に抗議する住民のデモとなり、自治区トップの王楽泉共産党書記の辞任を求めた。

 しかし、中国政府系メディア「新華社」の関連報道では、退任要求には全く言及されず、「新疆ウイグル自治区共産党委員会の王楽泉書記とウルムチ市委員会の栗智書記が現場を訪れ、民衆に対して、自制と冷静な行動を保つよう呼びかけた」(3日付)と報道。警察が催涙ガスを使用するほどのデモに関しても「少数の市民は興奮して行き過ぎた行為に出た」(4日付)、「一部の地区では小規模な衝突が発生」(5日付)と抑えた報道だ。

 それに対し、欧米各紙は、4日から7日にかけて、漢民族による王楽泉共産党書記の退任を求めるウルムチでのデモを報道している。英紙「フィナンシャル・タイムズ」は4日付の報道で、「数十年来、新疆当局は数百万人の漢民族を新疆に進駐させ、この西部地区に殖民統治を講じた。統治者は従来から現地の最大の民族ウイグル族を警戒し、安全への主要な脅威であるとみなしている」と当地の歴史的背景を解説し、今回のデモは「予期せぬ漢民族の怒り」と表現。 英紙「ガーディアン」は3日付で「漢民族による共産党への異例な挑戦」と現状を捉えている。

 そしてAP通信は6日、「ウルムチ市の共産党委員会書記・栗智氏と新疆の警察のトップが解任された」ことを報じ、「ウォールストリート・ジャーナル」では、翌日の報道で「解任が漢民族住民の怒りを沈静化させ、王楽泉氏への退任圧力を緩和させられるかは不明」とコメントしている。6日付のシンガポールの「海峡時報」では、英紙「サンデータイムズ」の取材を引用。「評論家によれば、胡錦濤・国家主席は王楽泉氏を犠牲にする可能性はあまりない。王楽泉氏が政治の舞台でデビューしたのは1980年代の青年団、これは胡錦濤の権力基盤だ」。同紙は、香港在住の中国問題専門家・林和立(ウィリー・ラム)氏のコメントにも言及している。「王楽泉氏と胡錦濤氏との関係は非常に親密であり、しかも、王氏は中共中央政治局の委員。王楽泉氏を解任することは、新疆・チベットの政治体制を変動させることになる」という。

 今回の新疆における漢民族の要求は、胡錦濤主席の最も痛いところをついているようだ。

(翻訳編集・叶子)

 (09/09/13 05:00)  





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