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(Photo by Andreas Rentz/Getty Images)

温かい気持ちが人を優しくする

 【大紀元日本10月25日】

 いつの頃から、毎朝買い物に行くと悪天候の中でも、キノコ売りの少年が微笑みを浮かべながら、「キノコはいかがですか?」と優しく聞いてくる。

 彼はキノコを売るときに、他の売人と違って、買う量が多かろうが少なかろうが全く気にせず、ただ、「自分で採ったものだよ、大丈夫!」と優しく言うだけだった。

 ある日の朝、大雨が降っており、すでに8時を回っていた。私はそそくさと買い物に出かけた。

 すると、後ろからキノコ売りの少年が私を呼んでいるのが聞こえた。「助けてほしいことがあります。急用ができたので、このキノコ持っていってください」見ると、2kgはあった。申し訳ないので、お金を渡そうとしたが、少年それを断わった。それでも、受け取って欲しいと頼んだら、彼は100円だけ受け取ると、バイクに跨り、雨の中へ消えていった。

 彼の顧客の一人にしか過ぎない他人の私に対して、殆どただで売り物のキノコを2kgもくれた。私は彼の名前もどこから来たのかも知らない。もちろん、彼も私のことは知らない。彼が私にくれたキノコは100円以上のものである。私は心の底から何か温かいものがゆっくりと湧きあがってくるのを感じた。

 キノコを買いに行くとき、いつの間にか彼のことを考えてしまう。沢山のキノコ売りがいる中、いつも、彼の売り場に足を向けてしまう。しかも、気づかないうちに知り合いをも連れて行った。また、会社の食堂や私の知っている飲食店などに彼のキノコを売る手伝いをした。彼は、私に対するのと同じく他の人にも温かく接した。実は、私は面倒くさい事が嫌いである。しかし、これらの手伝いをしていた時はちっとも面倒くさいとは思わず、自然態であり、当然のことだと思っていた。

 何が私を変えたのか?私は、温かい気持ちだと思う。キノコを買いに行くとき、彼は自分に気分よく買い物をさせてくれるだけでなく、彼の深い心の温かさを同時にくれる。人間関係で最も願望するのが温かさである。しかし、私達は常に自分から与えようとしない。誰かが温かさをくれると、自分たちの心も知らない内に優しくなる。自分たちの心が優しくなると、人を思いやり、行動にも力が出る。

 今日の社会では、温かい気持ちで人に接するという人間の善い本性が欠けているように思う。

(翻訳編集・鈴木真弓)


 (09/10/25 05:00)  





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