印刷版   

2010年1月、中国安徽省の自動車工場で組み立て作業にあたる作業員 (AFP/AFP/Getty Images)

「グ-グルだけじゃない」 中国市場戦略の見直し迫られる外資系

 【大紀元日本1月19日】中国市場撤退の覚悟で自社中国サイトの検索結果の検閲を停止する。北京当局と対決の姿勢を示すグーグル社12日の発表は、国際社会に波紋を広げている。過去20年、中国マーケットの占有に強い意欲を示してきた世界大手は、中国進出のためにビジネスおよび政治の原則の点で、中国当局に妥協してきた。しかし、グーグルの今回の挑戦は、奇抜な行動ではなく、各外国企業はすでに、どこまで中国でのビジネス環境を我慢するべきか、見直し始めているという傾向を示している。

 「以前、西側の政治家が中国の人権問題を批判しようとしたら、多国籍企業は直ちに反対意見で以って政府に対してロビー活動を行う。しかし、この状況は今変わりつつある」。中国に進出している外国企業に詳しい西側の政府官員が、英「フィナンシャル・タイムズ」紙にこう話した。

 検閲以上の問題

 社会不穏への恐れから、中国共産党政権は、言論の統制を強化し、党とは意見の異なる活動家の動きを把握することにやっきだ。中国在住のグーグル取締役によると、2006年の中国サイト設定の際に合意した検閲の限定枠を今後さらに広げるよう、中国当局から圧力がかかったという。

 「検閲の問題だけでなく、自国の検索エンジン企業を保護する意図もある。我々は当局からの要請を、非関税障壁とみている」と、12日の検閲停止発表前に同取締役がフィナンシャル・タイムズに語っている(掲載は13日)。

 アナリストは、著作権や商品登録の管理が甘く、外資系企業の知的所有物が失われていく中国市場を指摘している。

 技術を明け渡す外資系自動車メーカー

 グーグルの場合、物品が関わらず、失うものは知的所有物のみ。製造企業は、グーグルのように大胆な行動はとれず、中国の大規模市場を失いたくないという恐れから、最新技術を中国に明け渡してしまっているようだ。

 14日付けの米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、自動車産業を例に、中国当局は外資系の技能と資本を獲得した後、国内産業を保護するために外資系企業を中国市場から締め出す中国当局の最近の政策を指摘している。

 フォルクスワーゲン社は、中国市場への参入権と上海での工場建設のために、最先端技術を中国当局に提供。ゼネラルモーターズは、コンペを勝ち取るという形で、ロボットと自動車の最先端設計を上海自動車とのジョイントベンチャーにもたらしてしまった。

 中国当局は、外資系企業が50%以上の中国企業株を所有することを認めていない。また外国からの輸入車にはかなりの関税をかけている。多国籍企業とジョイントベンチャーを提携した中国第一汽車と上海自動車は、自動車業界の大手に成長し、設計から組み立てまで完全に中国内で行われる自社モデルの生産を開始した。

 中国の保護政策

 昨年6月4日、中国の経済企画庁にあたる「国家発展および改革委員会」は、6千億ドル近くの経済刺激策の一環として、中国製の製品のみを購入するよう、国、省、地方自治体レベルに命令を下した。適切な中国製品がない場合のみ、輸入を認める。

 さらに昨年11月には、中国で開発された技術を使用し、中国で最初に登録された商標の製品を購入時に優先するよう、国内外の企業に通知が出された。これに対し、34の産業組合が共同で中国商務部に強い抗議の手紙を提出した。

 暗号化ソフト企業

 最近、国内の暗号化ソフト企業を強化しようとする中国当局の動きがみられる。政府は全ての暗号を把握する意図だ。同時に、外資系企業に対しては、中国での販売認証を差し控えている。

 EU商工会議所のヨルグ・ヴトケ(Joerg Wuttke)会長は、EU諸国内の企業で中国から撤退しているものはないが、この暗号化ソフト問題により、近いうちに撤退企業が出る可能性が高いと語る。

 中国が設ける数々の障壁は、欧州企業の投資をどんどん敬遠させている、と同氏は指摘する。

 中国側の要求

 前述のフィナンシャル・タイムズの記事によると、昨年5月、王岐山副首相は、EU高官と様々な懸念を話し合うため、ブリュッセルを訪れた。会合に参加した情報筋によると、中国側は次のことを要求した。▽欧州は市場を開放しておく▽武器の禁輸を解除する▽中国が市場主義経済であることを認める▽中国国民に容易にビザを認可する。

 会合では、EUの代表者が300ページにおよぶ報告書を用意してプレゼンテーションを行った。しかし、プレゼンテーション後に、「何を言われても変わらない。どうせヨーロッパは中国に投資することになっている」と、王副首相は馬耳東風だったという。

 中国との取引には、ギブ・アンド・テイクの常識は通用しない。技術と資本を無条件に中国に投げ出したが、中国のマーケットはますます閉じられる一方。過去一年、外国資本はますます、中国のビジネス環境での経営の難しさに気付くようになり、中国マーケットに対してこれまでなかった悲観的な情緒が現れている。

(編集・鶴田)


 (10/01/19 07:46)  





■関連文章
  • イギリス人、中国で処刑 精神鑑定要求中 英首相が非難声明(09/12/30)
  • 北京当局、コペンハーゲン協定破たんに成功(09/12/24)
  • 母乳成分、赤ちゃんの活動の為のオーダーメイド=スペイン研究(09/10/11)
  • 酪農家らがストライキ、価格の長期下落に改善を求める=EU(09/09/23)
  • EU商工会議所会長 「中国当局は、外資系企業への規制を強化」(09/09/10)
  • イラン宗教指導者、英大使館職員の起訴を検討 (09/07/04)
  • EU本部ビルから濃煙(09/05/20)
  • EU:有害商品の回収、6割近くが中国製(09/05/09)
  • 台湾経済急激悪化の原因、対中投資政策ミス=台湾経済学者(09/02/24)
  • サハロフ賞受賞式、胡佳氏の妻の勇気あるビデオに感動の涙(08/12/23)
  • EUに新変化、中国人権への支持強化(08/12/12)
  • 中国IT技術許認可条例、外資系企業反発(08/12/12)
  • 中国メラミン事件再発:EU、乳製品輸入・全面禁止(08/12/10)
  • 米自動車業界、険しい再生の道(08/11/23)
  • メルケル独首相、胡佳氏「サハロフ賞」受賞歓迎示す(08/10/25)