THE EPOCH TIMES

初日、上海直訴者が自殺 前日にも会場で抗議者=万博の犠牲になった人々

2010年05月05日 09時04分
 【大紀元日本5月5日】5月1日、上海万博開催初日、直訴者が監禁や警察の暴行に自殺で抗議する事件があった。その前日も、「万博難民」と呼ばれる強制立退きの被害者が、万博会場内で抗議する事件が発生。「万博の花火が空に打ち上げられた瞬間、私の心も空中で破裂した花火のように割れてしまった」と、上海万博のために犠牲となった人々が、心から叫ぶ。

 自殺を図った範さん

 開催日の二日前から家に監禁された直訴者の範詩銘さんは、5月1日朝、家の近くで少し散歩しようと家を出たところ、警察に捕まえられ、近くの公安局出張所に拘束された。拘束中もひどく殴られたため、範さんは警察の暴行に抗議して金属を呑み込んで自殺を図った。一命は取り留めたが、食道にひどい傷を負った。

 範さんを看護する友人は本紙記者の取材に、「範さんは現在病院にいるが、病室の外で4人の警察が見張っており、監視をしている。万博によって、私たち直訴者がたくさん拘束されたり、家で監禁されたりしている」と話した。

 11年の直訴歴を持つ範さんは上海市蘆湾区の住民。1998年、事業のために国産の観光バスを購入したが、製品の質に問題がありメーカーに補償を求めたが、解決されなかった。99年範さん一家は北京に行って直訴をしたため、上海市政府に報復されビジネスが破たん、生活困難に陥った。

 
2009年旧正月、上海の人権活動家・馮正虎さん(左)と一緒に新年を迎えた範詩銘さん(Canyuサイトにより)

その後も範さんは直訴を繰り返したが、行くたびに警察に暴行された。08年の北京オリンピック、09年の60周年祝典、そして今年の上海万博、大きな行事や祝日のたびに、拘束や家で監禁されてきた。

 「改革開放30年、私たちの生活は良くなるどころか、かえって日々悪くなる一方。自分で生活の道を営もうとしては打撃を受けるばかり。私の息子は警察にひどく殴られ、訴えるところもない。警察を殺した楊佳さんの気持ちが良く分かる」と、範さんの75歳の父は話した。

 会場で抗議した「万博難民」

 4月30日、中国各地の直訴者で結成された「中国冤民大同盟」のメンバー・裘美麗さんなど3人が午後3時頃、万博会場内で抗議活動を行った。その後、当局によって逮捕され、拘留された。警察の話によると、最低30日の拘留で、情況によっては、労働教養や刑務所に入る可能性もあるという。

 裘さんの夫がネット上でその情報を公開した。「私の妻、裘美麗は、上海当局の強制家屋没収、万博の暗闇を暴露するため、陳燕燕さん、呉慧群さんと3人で万博会場に入って抗議を行ったが、逮捕された」

 2002年12月、万博会場用の土地収用のために、裘美麗さんの自宅は取り壊された。補償金の問題が解決されなかったため、2005年、裘さんは北京に行き、直訴を行った。陳情中偶然に温家宝総理に遭遇、温総理は上海当局にきちんと解決するよう指示した。しかし、裘さんが上海に戻った後、問題は解決されなかったばかりか、上海当局から報復を受けた。

 裘さんのような、上海万博の会場建設のための強制立ち退きによって家をなくした「万博難民」は1万8千世帯もある。上海住民の周錦洪夫婦もそのうちの一世帯。4月15日、北京で直訴を図った周錦洪さんは警察に連行され、未だに拘束中。

 自宅マンション所在地が万博建設地として選ばれたことから、周さん一家の悪夢が始まった。引っ越すように命じられたが、補償金が支給されず、周さん夫婦と現地住民は一夜で家を失いホームレスになった。地方政府関係部門に陳情したが、問題は解決されなかった。その後、北京中央政府にも陳情に行ったが、問題は依然解決されなかった。そして、頻繁な陳情の結果、地方政府の報復を招いた。陳情のため、周錦洪さんは会社を解雇され、収入がなくなった。その上、陳情するたびに警察に連行され、拘留された。

 夫の安全を心配する妻の李さんは、涙を流しながら記者にこう話す。「夫は現在牢屋に閉じ込められ、私たち一家は未だ身を置く場所がなく、放浪する生活を送っている。万博の花火が空に打ち上げられた瞬間、私の心も空中で破裂した花火のように割れてしまい、涙が散った花火のように流れる」

(大紀元日本語翻訳編集チーム)


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