米著名医学者 「臓器の需要のために処刑している」中国を強く批判

2012/04/03
更新: 2012/04/03

【大紀元日本4月3日】かつて「科学界最も影響力のある10人」に選ばれたこともある国際的に有名な学者である、ペンシルベニア大学生命倫理センターの所長で生命倫理学者のアーサー・カプラン博士は3月13日、フィラデルフィア医科大学で囚人からの臓器提供の道徳倫理に関する学術講演を行った。同博士は中国での囚人臓器の違法な使用にも触れて、「臓器の需要のために処刑する(需要殺人)」は普遍的に存在すると指摘した。

以下は同博士の講演内容の一部。

一.ドナー登録制度がない上、国内外の臓器移植の需要は厖大である。

中国では年間5千人以上の死刑を執行する。これは推定された最も正確な数字であろう。中国が抱えているもう一つの問題は、臓器移植のドナー登録制度がないこと。

しかし、中国での臓器の需要は非常に厖大だ。あなたが信じるかどうか別にして、中国では百万人が臓器移植を待っているとの試算データがある。

中国では臓器移植の旅行をあっせんする市場もある。中国の病院はインターネットで多くの広告を出しており、「中国へようこそ! もしあなたが大金を払えば、数週間以内に肝臓移植を受けられます」などとアピールしている。

二.需要のために人を殺す「需要殺人」

中国では臓器移植の需要に沿って、死刑囚に刑を処す時期を決める。もし、あなたが中国で臓器移植の旅行者で、3週間以内に肝臓移植するのであれば、刑務所で刑が執行されるのを待つだけで肝臓を得るなんてはありえないことだ。しかも、この肝臓はあなたの血液型や体質に合わなければならない。適する臓器提供者をみつけて、そして、旅行者の滞在期間中に死刑囚を殺すしかない。これはすなわち、需要のために人を殺す、需要殺人だ。

三.軍医は需要殺人の主犯格

需要殺人が実現できるのは、軍隊が関与しているからだ。中国では軍が監獄を管理している。囚人の臓器を摘出するのは往々にして軍の医者である。そのため、米国では永遠に発生しないことを彼らは成し遂げられる。

四.この犯罪は3~5分以内に停止すべき

中国衛生部の黄潔夫副部長は最近、現在の臓器移植(需要)の状況により、死刑囚からの臓器提供は3~5年までは変えられない、と発言した。

私が思うには、このやり方を3~5分以内に変えるべき。臓器移植の旅行者のための需要殺人を終わらせるのに、あと5年も待ってられない。

五.無実の人が殺害されている

中国では、人々は時々政治あるいは信仰の理由で投獄されている。例えば、法輪功学習者、チベット人、あるいは自由と独立を求める人たちなど。

中国において、死刑に処せられる理由も様々だ。その理由の多くは人権団体が認めないものである。死刑囚は、ときに政権異見者であったり、信仰者であったり、軽度の違法者であったり、あるいはまったくの無罪の人であるかもしれない。

つまり、多くの需要殺人の被害者ははじめから無実なのだ。中国政府のこの制度は軽蔑されるべきだ。

六.我が時代の最大の悲劇

私が今日ここで言いたいのは、我が時代の最大の悲劇の一つは、このような良識を完全に喪失した犯罪への非難が乏しいことだ。この状態が中国で何年も続いているのに、誰も公で非難していない。

臓器を盗むため人を殺す、しかも被害者の同意も得ていない。そのうちの一部の人はまったく監禁されるべきではないのに、野蛮かつ残酷的に監禁されている。このことは、臓器移植業界の最も残虐な犯罪だ。

しかし、中国からの臓器移植の関連文章は依然として医学誌で発表されている。中国人は依然として国際会議で臓器移植の成果を論じている。私はこのような会議に数回参加したことがある。国際製薬会社も依然として中国での臓器移植の薬品の研究を支援している……。

なぜ、このような現状であるのか。医科大学の医者たちはこの犯罪を非難すべきではないのか。米国医学協会はこのことは間違っていると指摘すべきではないのか。

七.権威のある医学誌は需要殺人による「科学研究の成果」を受け入れない

去年、私がランセット誌で中国を含めて需要殺人を行う国からの論文を拒否するよう呼びかけた。その他の一部の医学誌、例えばAmerican Journal of Transplant誌や、American Journal of Bioethics誌、Transplantation Proceedings誌、Journal of Clinical Investigation誌などももこの拒否行動に参加しはじめた。

八.殺人は依然として続けている、5年間は長すぎる

しかし、医学界と科学界のその他の主要誌は依然として沈黙を保っている。私はその理由を知っている。人々は中国政府の機嫌を損ないたくない。中国政府と正面衝突したくないのだ。

多くの人は中国の国際社会の仲間入りを望んでおり、その人権犯罪を理由に国際社会から追い出すべきではないと考えている。しかし、彼らは確実に犯罪を起こしている。

5年後に、中国でドナー登録制度が確立される。この種の野蛮かつ残虐な需要殺人の行為が依然として中国で続けている状況下、5年の時間は長すぎるではないか。

 (記者・曾錚、翻訳編集・叶子)
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