印刷版   

中国のもっとも高価なマンション。北京の釣魚台国賓館に隣接しており、販売価格は平米あたり30万元(約370万円)(STR/AFP/Getty Images)

中国の不動産バブルが弾け始めたのか=ウォール・ストリート・ジャーナル

 【大紀元日本6月13日】中国主要都市の住宅価格が下落し始め、経済成長の鈍化が予想より早まる可能性が出ている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルがこのほどこのように報じた。同時期に、世銀の経済専門家は8日北京で開かれた記者会見において、不動産バブルは中国が直面する最大のリスクの一つであると明言した。

 不動産価格が急落し始めた

 上海不動産取引センターの統計によると、上海4月の住宅販売件数は1月に比べると1.75万件から1.1万件まで減少し、37%急落した。取引件数の急減により、香港大手不動産関連会社ミッドランド・ホールディングス傘下のミッドランド不動産はこのほど上海にある9つの事務所のうち、8つの事務所の営業停止を決めた。

 北京に拠点をおく経済研究機関ドラゴノミクス(Dragonomics)が北京・上海などの9大都市の不動産市場に対するモニタリング調査の結果、今年4月これらの都市では、対前年同期比4.9%下落しており、昨年の21.5%の上昇と2009年の10%の上昇とは対照的になっている。

 スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)は、大連、天津といった二級都市は、今年年末までに少なくとも20カ月分の販売量に達する既存住宅が出てくると予測。スイス銀行の経済専門家ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)氏は、中国は「不動産主導型経済」となっており、GDPに占める割合から言えば、不動産分野だけで13%に達している。不動産価格の下落は中国の工業と投資に大きいな衝撃を与える力を持っており、消費者の消費支出にも大きく響くという。

 中国国内の不動産総合情報サイト・捜房網の情報によると、2006年初期ごろ北京の新築住宅の平均価格は1軒当たり約10万ドル前後で、普通市民の32年分の可処分所得に相当する金額であった。しかし、この数値は2011年に25万ドルに達したのに対し、所得の増加は限定的なため、いまでは、57年分の可処分所得で住宅を購入しなければならない状況となった。

 米国を越える世界一となるエネルギー消費

 フィナンシャル・タイムズ9日付の報道によると、BP(英国石油)の「世界エネルギー統計年鑑」では、昨年中国のエネルギー消費量は米国を越え世界一位となった。世界全体のエネルギー消費の増加スピードも1973年以来の最高水準となり、その中の20.3%は中国が占めており、米国の19%を越えた。

 中国経済専門家の何清漣氏は中国のエネルギー消費について次のように述べている。中国経済の成長方式は粗放型成長であり、経済成長に伴って消費するエネルギーの量が世界エネルギー消費量に占める割合は、中国のGDPが世界のGDPに占める割合よりはるかに大きくなっている。2009年、中国のGDPは世界全体のGDPの8.6%を占めているのに対し、世界全体の46.9%の石炭、10.4%の石油を消費している。一方、同期の米国のGDPは世界全体のGDPの24.3%を占め、石炭と石油の消費はそれぞれ世界の15.2%と21.7%であった。

 さらに、何清漣氏は中国の経済発展は避けて通れないボトルネックに直面していると分析。過去30年間の重度な環境破壊により、深刻な汚染問題に直面している。それに加え、労働力の福利厚生の向上への消極的な施策の下では、中国経済は労働集約型発展から技術集約型発展へ転換する能力が不足している。連年続くインフレ状況は低所得層家庭の生活をより困難な状況にさらし、一方、金融引締め対策から多くの中小企業はさらなる経営難に陥っている。現在、2007年以来の2回目の「集団倒産」ラッシュが現れ、就職問題はさらに深刻になるという悪循環が起こっている。

 香港証券先物取引委員会CEO「中国は新たな『ドットコムバブル』」

 香港証券先物取引委員会のマーチン・ホイートリーCEOは退任日の9日に、中国は世界投資における新たな「ドットコムバブル」になりかねないと警告した。これは2000年前後に米国を中心に起こった、IT・インターネット関連の新興企業をめぐる経済的熱狂に因んだ発言であるが、軽率に中国株を保有することは、中国の急速な経済発展から利益を獲得しようとする人々にとって大きなリスクを抱えてしまうことを懸念した発言とみられる。

 ホイートリー氏のこの発言は、ちょうど中国の海外上場企業に対する財務審査が厳格化され、一部企業の財務粉飾問題が発覚した時期と重なった。米国証券取引委員会(SEC)はすでに、ニューヨークで上場した中国企業を調査するために、特別ワーキンググループを立ち上げている。

 米ヘッジファンド企業責任者「インフレは中国バブル崩壊の起爆剤となる」

 米コンサルティング会社コリエンテ・アドバイザーズ(Corriente Advisors)の主席執行役マーク・ハート Ⅲ(Mark Hart Ⅲ)氏は、中国のバブル崩壊の起爆剤となるのはインフレであるとの見解を示した。

 ハート氏はこのほど、イラソン投資コンファレンスにおいて、中国のバブルを作り上げたのは信用貸付の爆発的な拡大によるもので、もし中国のバブルが崩壊するとなれば、起爆剤となるのはインフレであると明言。氏によると、中国の最近のCPI指数は5%前後上昇していると報道されているが、一部の食品や教育費の上昇がCPI指数に計算されておらず、政府から莫大な補助金が支給されている状況だと指摘。信用貸付の拡大をもって経済成長させるのは持続不可能であり、結局不良債権の清算を遅らせるだけであるとマーク氏は指摘した。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/06/13 07:54)  





■キーワード
不動産バブル  エネルギー消費  海外上場  経済成長  ドットコムバブル  


■関連文章
  • 地価が下落の兆し 地方政府が財政難のピンチ=中国(11/06/07)
  • 謝国忠:「3年間で不動産価格は半減する」(11/05/25)
  • 中国経済、30年来最大の転換期に (11/05/12)
  • 3月CPI5.4%上昇 インフレ加速 苦戦する政府=中国(11/04/16)
  • 半年で4度目の利上げ 「一石三鳥」になるのか(11/04/14)
  • 中国インフレ抑制不能か 米著名経済学者が警告(11/02/07)
  • 2011年 中国の経済成長は減速=中国人学者予測(11/01/24)
  • 中国、追加利上げ ジレンマに陥るインフレ抑制策 専門家「潜在インフレ率38%」(10/12/28)
  • 中国不動産バブル、多数の利益集団が決め手 崩壊のカウントダウン=独立経済評論家(10/11/02)
  • 世界銀行:東アジアの資産バブルを警告(10/10/22)
  • 元中国人民銀行委員:国内収入格差、今後さらに拡大(10/09/22)
  • 不動産価格また上昇 政府、価格抑制に躍起=中国(10/08/20)
  • ドイツ:GDP、20年ぶりの最高成長率 第2四半期は2.2%アップ (10/08/19)
  • 中国GDP、日本抜き世界2位へ 中国学者「急成長 今後に大きな支障」(10/08/18)
  • 中国バブル経済が崩壊、ドイツ企業にも打撃=独紙(10/07/30)