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米シンクタンク機関・ストラトフォーは、中国経済は持続不可能の「ネズミ講経済」だと指摘。専門家は、中国への投資リスクはかなり高いため、投資家は慎重に行うべきだと警告した(AFP)

虚偽の繁栄 投資リスク高い中国 投資家は慎重に=カナダ紙

 【大紀元日本7月4日】このほど、カナダ最大紙「グローバル・アンド・メール」は、中国国内において、情報の透明性が欠け、司法システムが不完全である上、土地強制収用などをめぐって民衆と政府の間の暴力事件が増加しており、またインフレの更なる進行や不良債権の急増、金融引締め政策の効果薄など経済状況に不安定な要因が現れていることなどを根拠に、中国への投資リスクが高まっていると警告した。

 6月18日付の同紙の評論記事において、コラムニストで投資専門家のアブナー・マンデルマン(Avner Mandelman)氏は、中国は独裁国家で、情報の透明性が欠けており、投資アナリストは中国企業の真の財務状況に関する正確な情報を入手することが非常に難しいため、投資リスクはかなり高いと示した。

 6月初めにカナダ株式市場に上場した中国総合林業最大手のサイノ・フォーレスト(Sino Forest)は、香港調査会社のマディ・ウォータース・リサーチ社の調査によって、同社の資産規模が過大評価されているとの粉飾疑惑を指摘された。このため、この1カ月の間に、サイノ・フォーレストの株価は90%も急落した。

 現在、北米に上場している約200社の中国資本の企業に対して、米国及びカナダの証券取引監督機関が財務状況を調査中、または調査する予定だとして監督監査を強化している。 米国証券取引委員会(SEC)は過去1年間において、財務粉飾問題などの原因で米国で上場している10数社の中国系企業の上場廃止や株取引の中止を命じた。

 マンデルマン氏はまた、中国政府が発表する経済指標はとても信用できるものではなく、過大評価の傾向が強いと指摘。また米民間シンクタンク機関のストラトフォー(STRATFOR)は、5月25日に発表した評論記事において、中国経済は持続不可能の「ネズミ講経済」だと指摘している。

 中国に投資する者ならば、中国司法システムの不完全というリスクを負わなければならない。中国の司法システムは独自に判断することができず、全ては政府の意思、さらには党の絶対的意思に従っている。近年、民衆と政府との間で、土地の強制収用や強制立ち退きをめぐる抗議や暴力事件が急増しているが、そのような社会における個人の資産や権利は、有効な法的保護を受けることができない。「司法の独立性のない国への投資は、投資者として永遠にすべきでない」と、マンデルマン氏は話す。

 中国への投資リスクが高まっている要因は、中国経済の現状にも大きく関係している。

 まず、中国の銀行システムにおける不良債権問題の深刻さが挙げられる。マンデルマン氏は、中国政府は国内雇用及び消費の需要を満たすために、人為的に資本コスト及び銀行融資利率を低く抑えることを通じて、融資や輸出を刺激してきた。それが招いた不動産バブルと地方政府の歳出の急増は、不良債権規模を拡大させた主な原因だという。

 中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は昨年末に、中国の銀行システムにおける不良債権問題について「リスクがかなり高い」と公に認めた。不良債権の深刻さが増せば、中国経済が必ず後退するとマンデルマン氏は言う。銀行システムの過度な融資によって、日本は90年代後に景気不況に入り、米国も2007年のサブプライムローン問題で世界金融危機を招いた。

 また投資家は、中国のインフレの更なる進行にも注意すべきだという。中国の今年5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.5%上昇した。6月のCPI上昇率については、現在のところ6%と専門家が予測している。昨年10月から、中国政府は物価の急上昇を抑えるために金融引締め政策を実施してきたが、しかしその効果は未だ現れていない。

 中国のインフレが制御不能の状態になっていると米国の著名投資家ジョージ・ソロス氏が4月にすでに指摘していた。さらに現在は、新規不動産物件の空室率が上昇していることで不動産バブル崩壊の兆候が見られ、中国経済の先行きの不確実性がますます高まっているため、「投資家は中国への投資を控えるか、または慎重に行うべきだ」と、マンデルマン氏は主張した。

(翻訳編集・張哲)


 (11/07/04 07:21)  





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投資  粉飾疑惑  ネズミ講  上場廃止  インフレ  不動産バブル  不良債権  CPI  金融引締め政策    


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