シドニー「世界難民の日」:中国難民の人権問題に注目

2005/06/22
更新: 2005/06/22

【大紀元日本6月22日】オーストラリア難民行動連盟は6月20日―「世界難民の日」を記念するとともに、オーストラリア政府に対して、難民問題を公正に取り扱うよう呼び掛けるための、大型集会及びパレードが6月19日、シドニーの中心部にあるハイド・パークで行われた。さまざまな民族の団体からおよそ800人が集会に参加。オーストラリアで亡命声明を発表した元中共外交官・陳用林(チン・ヨンリン)氏も集会に顔を出した後、直ちに取材陣が彼を囲み、さまざまな質問を浴びせた。

亡命した陳用林氏が集会に現れ、メディアの注目を浴びた

陳用林氏は集会で演説を行った

陳用林氏は会場で、オーストラリア国民とメディア関係者の支援に感謝の意を述べた。彼は会場の人々に対して、オーストラリアにいる難民に関心を寄せると同時に、中国の暴政のため、大量の中国人が難民となったことを忘れてはならないと呼び掛けた。陳氏は、「現在の中国は非常に厳しい状況に置かれています。多くの人は中国の経済が発展していることしか見ていませんが、実際、中国には人権、民主と信教の自由がないままです」と指摘、さらに、「今、少なくても6万人の法輪功学習者が迫害されていることについて、特に関心を寄せなければならないのです」と話した。

陳用林氏は演説後、直ちにタクシーに乗り会場を去った

陳用林氏は、中共政権の下で勤めてきた十数年間の間に、中共は自身の政権を維持するため、自国の国民に対して行った迫害を目撃してきたという。共産主義の理論とは、中共が西側の理論を利用して中国人を統制するためのものであり、今となっては捨てるべきものであると主張した。陳氏はまた、大量の難民は中国から逃げ出すことを予測し、中国人にとっての根本的な解決方法とは、中国の政治体制を変革することであると話した。陳氏は最後に、集会に集まった人々の前で、「中国には自由が必要です!中国には民主が必要です!中国には人権が必要です!」と声を上げて演説を締め括った。陳用林氏の演説に対して、会場内で幾度も拍手喝采が送られた。

オーストラリア難民連盟がシドニーの中心部にあるハイド・パークにて大型集会を
行った。

難民行動連盟スポークスマン、マーク・グダカンプ氏は、18日にヴィラウッド難民留置センターで起きた集団自殺事件に関して、自殺した13人の中国国籍の難民申請者は全員5月、中国官員による秘密に行われた尋問を受けた後、隔離監禁されていたと述べた。また、彼らは自殺を通して中国へ強制送還されることに対して抗議し、13人は法輪功学習者ではなく、他の宗教信仰者である。今回の事件を公正に扱うよう、オーストラリア政府に対して呼び掛けた。

オーストラリア自由党上議院、ケリー・ナーター議員が演説を行った

オーストラリア自由党のケリー・ターナー議員は集会で、自由党は既に数週間に亘り、議会で難民問題を提起し、オーストラリア政府が、避難を求める人々が自国で受けた苦痛をより理解し、当件を重要視するよう呼び掛けた。

ニュー・サウス・ウエールズ州民主党上議院議員のアーサー・イワー博士は、民主党は難民の長期抑留及びこれらに関わる人権問題に対して常に関心を寄せているとし、政府の今の政策では、国際社会におけるオーストラリアの名誉に汚点をきたすことになると指摘し、オーストラリアの人々に人権を守る努力を呼び掛けた。

『静水流深』一書の著者、自由中国組織代表曾錚氏が演説を行った

自伝文学『静水流深』の著者で自由中国組織代表・曾錚氏が会場で、決して経済利益のために、中共に屈してはならず、オーストラリア政府に対して正義を執行し、自国民のために戦うよう呼び掛けた。

集会終了後、700人から800人のパレードがハイド・パークを出発し、シドニーの中心部を経由して、オーストラリア移民局へ続いた。

(シドニー=大紀元記者・駱亜/特約記者・方研)
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