大紀元、米記者クラブで臓器摘出事件を証言

2006/04/19
更新: 2006/04/19

【大紀元日本4月19日】中国国務院報道局は4月11日に行った記者会見で、最近海外メディアに報道されている、中国瀋陽市蘇家屯収容所で法輪功学習者の生体からの臓器摘出と販売の事件を否定し、この事件を初めてスクープした大紀元新聞社に対して提訴する構えを見せた。中共の否定に対し、大紀元本部(米国・ニューヨーク)は13日、米ワシントンのナショナル・プレス・クラブ(National Press Club)で記者会見を開き、郭軍編集長と英文大紀元ジョン・ナニヤ編集長が同事件をスクープしたこれまでの経緯を明らかにした。法輪功スポークスマン張而平氏と、ハルピンの収容所で臓器を摘出されそうになった法輪功学習者・王玉芝氏も記者会見に出席、法輪功学習者が当局に臓器摘出されたことを証言した。

証拠が移転された蘇家屯秘密収容所

中共当局は蘇家屯秘密収容所で法輪功学習者から臓器摘出した事件が大紀元により初めて報道されてから、3週間の沈黙の後、蘇家屯事件を否定した。記者会見では法輪功スポークスマン張而平氏は、それは中共側が証拠消滅した後の対応であり、中共の一貫した行動パターンから予測できるとし、歴史的にみても、中共は犯した罪を認めたことはなかったと述べた。

大紀元編集長・郭軍氏(大紀元)

発言する英文大紀元編集長、ジョン・ナニヤ氏(大紀元)

大紀元編集長・郭軍氏は、同事件が報道された後、中共が三週間も沈黙を保ってから初めて対応したことは、中共のこれまで一貫して事実否定してきたパターンから推測して、蘇家屯秘密収容所に残された証人はすでに移転されたと考えられると述べた。蘇家屯事件が明らかにされた後、調査のため海外から大勢の記者や身元を秘匿した調査者が瀋陽に入ったという。また、同氏の情報によると、事件を隠蔽するため、中共安全部は蘇家屯血栓病院の付近と蘇家屯駅で大量の私服警察が路上行商人や通行人、三輪車の車引きに変装して、海外からの調査者に誤った情報を提供する手配をしたという。

蘇家屯に入った反体制言論者が逮捕された

郭軍氏によると、ラジオ自由アジア8日付け報道では、反体制言論者・孫小弟氏が最近、蘇家屯に入ったが、当局に逮捕された。孫氏は警察から、蘇家屯地区は現在「敏感地」であると通告されたという。現地警察によると、外部から蘇家屯を訪問した人が現地で三点xun_ネ上滞在した場合、尾行あるいは拘束されるという。

中共の事実否定は想定内

郭編集長は、この事件は非常に驚くべきことであり、法輪功学習者、人権団体、一部のメディアおよび国家政府を含む国際社会より強い関心が寄せられているとし、中共の事実否定も想定内のことだったという。

中国外交部の報道官・秦剛氏は3月28日、定例記者会見で蘇家屯事件を否定した。秦氏は同時に、中国では死刑囚から臓器を摘出することも否定した。しかし、中共政権が死刑囚から臓器摘出することは、すでに世界に知られている事実であり、昨年、中共衛生部責任者がすでに公にその事実を認めている。もし中共の秦報道官が死刑囚の件について公然と平気で嘘を付くのであれば,蘇家屯事件に関しても平気で嘘を付くことは不可能ではないだろうと郭編集長は述べた。

真実を大胆に明らかにするからこそ、中共は恐れる

英文大紀元編集長ジョン・ナニア氏は、大紀元は16の言語バージョンがあり、世界29カ国で発行され、世界でもっとも広く発行されている多言語メディアの一つとして紹介した。中国の真相を大胆に報道する大紀元が、ますます中国の民衆から信頼を得ているという。

ナニア氏の紹介によると、大紀元は、三年前のSARS事件において、中共が公にSARSの存在を認めた三週間前も、大紀元はすでに報道していた。昨年末に広東省汕尾東洲村に発生した土地収用を巡り、地方政府に請願した村民を当局が射殺した事件も大紀元が初めて報道、射殺現場の写真を最初に入手したメディアである。そのほか、大紀元は、在オーストラリア中国領事館員・陳用林氏の亡命事件、中国で発生している数多くの人権迫害事件、共産党からの脱党運動、人権弁護士・高智晟氏が呼びかけたハンスト・リレーなども重点に取り上げ、中国当局に閉鎖されている情報を正確且つ速やかに伝え、オリジナル報道で正義と真実を報道する新しいイメージでメディア界で道を切り開き、多くの注目を浴びている。

このように大紀元の独自の報道視点は、現在中国の管制宣伝機関では見当たらず、海外の大部分の中国語メディアでも報道されていない。それ故、大紀元時報は、多くの中国民衆が政権を握る者に対する不満を訴えるための主要メディアとなっていると郭編集長は述べた。そのため、大紀元時報は中共の反感を買い、未だに5人以上もの記者と多数のコラムニスト達が中共当局に監禁されているという。

臓器摘出事件の残酷さ、「むしろ事実であってほしくない」

郭軍編集長は、最近大紀元が重点にスクープした瀋陽市蘇家屯収容所で起きた法輪功学習者から臓器摘出事件の経緯を紹介した。郭編集長によると、ある大陸出身の記者は最近大紀元に対して、瀋陽市蘇家屯のある病院で大規模に、法輪功学習者の生体から臓器を摘出している事件を明かした。その後、同病院で勤めていたある女性職員も自ら大紀元に連絡、同事件を証言した。大紀元時報は調査して事実を確かめてから、3月9日から二人の証言した内容を報道し始めた。報道後、蘇家屯事件の残酷さに、法輪功学習者、人権団体、一部のメディアおよび国家政府を含む国際社会より強い関心が寄せられた。

郭編集長はまた、ジャーナリストとしても、一般人としても、今回の報道内容はむしろ事実ではないことを望んでおり、同事件がまったくの誤解であり、実在ではないと希望していたが、実際に調査すればするほど、同事件が事実であることを確信せざるを得なくなったと強調、これも大紀元時報のスタッフ全員がもっとも遺憾に思うことであるという。

女性証人の証言

記者会見では、蘇家屯病院に勤めていた女性の証言録音が流された。当証人の前夫は、蘇家屯病院で法輪功学習者からの臓器摘出手術に関与した執刀医師であった。同証人によると、前夫が03年から臓器摘出手術をやめようとしてから、何回も命の危険にあったという。証人が渡米後、恐怖感が少しずつなくなり、証言できるようになったという。

同証人によると、蘇家屯収容所に拘禁されていた法輪功学習者がほとんど瀋陽大北刑務所、馬三家労働矯正所などから移転されて来た人々で、あるいは公園や自宅付近で法輪功の動作を練習していた時に逮捕された人々であるという。当局の法輪功に対する「殴って死亡したとしても追及しない」という迫害政策により、法輪功学習者の死亡は当局により日常的なこととして扱われている。これらの法輪功学習者が逮捕された際、身元を確認するものを所持しておらず、名前さえも明らかにしないため、親族がほとんど彼らの行方がわからないままであった。蘇家屯収容所の関連病院がこれらの法輪功学習者の臓器と眼角膜を生体から摘出して、死体を焼却するという。

臓器を摘出されそうになった法輪功学習者の証言

ハルビン市万家労働キャンプに監禁された際、臓器を摘出されそうになった法輪功学習者・王玉芝さん(カナダ在住)が、記者会見に出席し、万家労働キャンプでの体験を語った。

王玉芝さんによると、ハルビン市万家労働キャンプに監禁された時、両目が失明した。その時、610オフィス(法輪功の弾圧を監督する機関)のスタッフと警官が彼女を連れ出し、ハルビン市の四カ所の病院で血液検査と器官検査を行った。4カ所の病院とも彼女の身体と全ての内臓器官が「不適」と診断したので、彼女は臓器摘出を免れ、警察の監視がなくなった。そのすきを狙って、王さんは病院の看護師の助けで、友達に電話を掛けて病院から逃げた。その後海外に亡命した。「もし私の器官が『不適』と診断されなかったら、私は臓器摘出の犠牲者となり、今日こうして証言することはできなかったでしょう」と王さんは涙を流しながら語った。

ハルビン市万家労働キャンプで臓器を摘出されそうになった法輪功学習者、王玉芝さん=カナダ在住=(大紀元)

蘇家屯事件は氷山の一角に過ぎない

法輪功スポークスマン・張而平氏が、蘇家屯事件はあくまでも氷山の一角に過ぎず、これ以上に残酷で信じがたい迫害、さらに多くの被害者が中国各地の強制労働収容所に隠されていると話した。中共はこの7年来、法輪功に対する迫害は一日も止まったことがなく、中国各地の強制労働キャンプ、秘密収容所、刑務所、精神病院などで法輪功学習者に対し臓器摘出を含めてさまざまな迫害を行っているという。

張氏によると、当時、法輪功学習者を監禁した中国各地の強制労働収容所が定員より大幅に超え、5千人から2万人を監禁していた。臓器摘出に選ばれた法輪功学習者のほとんどは、農村出身者で、仕事も学歴も家族もなく、または家族がいてもまったく連絡の取れない者たちだった。臓器販売に関わる警官と関係者が上述条件に見合った学習者の血液検査を行い、病院側の依頼者の血液などと合えば、手術日に合わせて殺人を行ったのだという。張氏は、国際社会、各国政府、人権組織など中国で独自調査を行い、この7年にわたり中共が法輪功に対する迫害を徹底に調査すると呼びかけた。

情報筋によると、中国国内で約10万人の法輪功学習者が行方不明または監禁されているという。家族も彼らの行方が分かっていないという。米国の大紀元時報のスタッフの中にも、多くの親族が中国で行方不明になりすでに数年が経っているという。

迫害が始まった1999年7月20日には瀋陽市政府当局前で請願した法輪功学習者は1万人いたという。その日から01年7月20日までの間に、約700万人の法輪功学習者が北京へ陳情に出かけた。01年7月以降の数ヵ月間、陳情のために北京に集まった学習者は、もっとも多い時で30万人を超えたという。当時、北京および北京郊外地区では、法輪功のための上訴者約70万人が長期にわたり滞在したという。しかし、親族や友人が連帯責任を問われないよう、学習者は自らの名前や出身地を明かさなかった。内情に詳しい者によると、蘇家屯に監禁された法輪功学習者全員が名前はなく、番号が付けられていたという。

張氏は、法輪大法協会と明慧サイト(法輪功サイト)がすでに「中国大陸で法輪功に対する迫害の真相を調査する委員会」を結成したと紹介、国際組織、国家機関とメディアも同委員会と合同調査団を結成して中国大陸に行き、独立した直接の調査と証拠収集を行い、蘇家屯と他地区の秘密収容所で行われている法輪功学習者に対する迫害真相を調査するよう、呼びかけた。

法輪功スポークスマン張而平氏(大紀元)

最後に、郭編集長は、大紀元は引き続き中国の労働キャンプで行われた法輪功学習者に対する臓器摘出事件を報道していくと表明した。また、国際社会に、蘇家屯収容所事件において、中共の情報閉鎖の圧力に屈せず、全力で真相を報道する大紀元に対し、傍観やあらを捜すような態度をやめてほしいとし、ただ手をこまねいて証拠を待つだけで、中共の犯罪を激化させることは許してはならないと述べた。生存者から臓器を摘出し、売買する重大犯罪はすべての生命・人格に対する侮辱であり、仮に同事件の可能性が1%しかないであっても、慎重に対応し、全力調査を行うべきだと訴えた。

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