中国:薬害による死亡例が増加、薬品の滅菌消毒に問題か

2006/08/07
更新: 2006/08/07

【大紀元日本8月7日】中国で最近、薬害問題で多数の死亡例が発生、体の不調を訴える患者が増加している。問題となった「シンフー」ブドウ糖注射液(クリンダマイシン・フォスフェイト・インジェクション)の製造過程における滅菌消毒処理に問題があると見られる。現在、当局はすでに、81例の同薬害苦情の報告を受け、10省に及び、3人が死亡した。わずか一日で倍以上の症例が増加したことから、当局は調査を急いでいるという。

BBCによると、「シンフー」ブドウ糖注射液を使用した後の死亡例は、黒龍江省、河北省および湖北省の3省で発生した。その内、黒龍江省ハルピン市の死亡例は6歳の女児だったという。女児は風邪のために、7月24日にこの薬品を使用し、静脈点滴を開始して20分も経たない内に、高熱となり、3日後に死亡したという。死亡例のほか、同市でこの薬品の使用後、体の不調を訴えた患者が15例あったという。

最新の死亡例は、湖北省の男性(48)で、使用後に過敏性ショックが起きて8月2日に死亡したという。体の不調を訴えた患者は10例だった。また、河北省の死亡例は70歳台の男性で、体の不調を訴えた患者は5例だった。実際、同薬品の使用によって、体の不調を訴えたもっとも多く症例が出たのは、青海省で計18例。また、山東省蓬莱市、廣西省、浙江省等においても、同薬品を使用後の患者は、同症状が出ていると発表した。

「シンフー」ブドウ糖注射液の製造元、安徽華源生物薬業有限公司の製造工場は、安徽省の上場企業で、上海華源企業の傘下企業である。阜陽市に位置する同社の製薬工場は、扁桃腺炎症、急性気管支炎等の治療薬として、同薬品を生産している。同社責任者によると、湖北、黒龍江、河北、吉林、江蘇、安徽、新彊、遼寧、河南、山東で流通された同薬品の25%はすでに回収されたという。

中共国家食品薬品監督管理局は4日、国家薬品不良反応監督測定センターは、これまで受けた安徽華源社の「シンフー」製品にかかわる死亡ケースを含む報告は、9つのロットに及んでいるという。

中共文生部および薬監局はすでに、各地薬品監督管理部門に対して、管轄区内のすべての薬品販売企業、医療機構が同社「シンフー」製品の使用および販売を禁止すると通告したという。

一方、安徽華源社の上部管理者によると、同薬品の滅菌消毒工程に問題が起きている可能性が高いという。同製造工場は、新しい消毒設備にしてから、消毒時間を1分間短縮しており、そのため滅菌過程において熱分散の不均一が起きる可能性があるとの見方を示した。

情報によると、同薬品を使用した患者は、過敏性ショック、肝・腎臓機能障害など深刻な薬害反応が起き、一部の患者は胸がすっきりせず、動悸、身震いなどの臨床症状が現れるという。

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