上海東方医院人体実験、被害者家族が提訴

2007/07/29
更新: 2007/07/29

【大紀元日本7月29日】我が子が人工心臓の医学実験台にされ死亡したため、その両親が7月24日、上海同済大学付属東方医院(以下、上海東方医院)の劉中民・院長を正常者を実験台にした悪意ある殺人で提訴した。今回の訴訟の開廷時間は短く、原告側は訴訟内容を繰り返した。裁判所側は次の開廷にて再審することにした。上海東方医院は中国で最多の人工心臓移植手術件数を誇るが、調べによると、使用された人工心臓は中国国家食品薬品監督管理局の許可を受けておらず、移植後の死亡率が非常に高いことがわかっている。

提訴したのは、上海在住の周振華さん夫妻。周夫妻の息子・宜清くん(当時13歳)は2004年4月16日に上海市児童医院に入院し、原発性拡張型心筋症と診断された。宜清くんは同年4月22日、児童医院は東方医院の劉院長に診察してもらい、同日夜、人工心臓手術を受けた。翌年7月15日、東方医院は宜清くんに心臓移植手術を行い、宜清くんは15日後の同月30日に死亡した。

周夫妻は、執刀医は劉院長および翁渝国・医師は、中国では未承認医療機器の人工心臓を使用し、資格のない状況下で許容範囲を超えた医療を施し、臨床試験段階の機器を使用して、患者の幹細胞、筋細胞の植え付けなど試験段階の手術を行うなどの違法行為を訴えた。

本紙記者が劉氏の携帯に電話を掛けたが、劉氏の秘書と自称する者は、「裁判所が最終判決を下す前に、如何なる取材も受けない」とし、「被害者に劉院長が裁判所と利害関係を持っていると指摘された」の質問に対して、コメントもなく電話を切られた。

*病院と司法機関が結託

被害者側は検察機関へ刑事訴訟として提訴したが、検察側と東方医院の密接な関係により、同件の審査は何度も引き延ばされたことから、周夫妻は先に民事訴訟として、東方医院に対して、死亡賠償金、精神的被害賠償等を含み、約990万元(約1524万円)の賠償を求めた。

ある匿名の被害者によると、劉院長は地元政府、司法部門との間に多くの利権関係があるという。東方医院を管轄する浦東裁判所の陸家嘴法廷は、同医院の案件を専門に取り扱っており、被害者はこの法廷の裁判長が東方医院側との財物面における結託証拠を持っているという。

*別の被害者

一方、2003年初め、上海東方医院で「冠心病・更年期総合症」と診断された被害者の陳鳳英さんは、その少し後の同年3月26日に、院長の劉中民氏に「心肺機能は末期になっており、手術しなければ3ヶ月の余命しかない」といきなりに宣告された。劉氏は自ら手術経験が豊富で、心肺の移植成功率が高いことを宣伝し、手術費用もすべて病院側が負担すると手術を勧めた。

陳さんは勧められたまま、病院側で半年間臓器提供者を待った。劉氏は2003年9月21日、江蘇省鎮江市で臓器提供者を見つけたことで、「病状回復し、退院手続き」を行い、陳さんを鎮江市人民医院へ移送した。

しかし、9月25日陳さんの息子・黄凌さんは母親の死亡通知を受け、病院へ駆けつけた。黄さんが見た現場とは、母親のお腹が切開されたまま、酸素を送る管も挿したままで、全身血だらけになっていたという。病院側は、陳さんは臓器移植中に急性拒絶反応が起こり、手術の途中で死亡したという。

*事案は未解決

事件後、陳さんの家族は病院側に対して、カルテおよび臓器組み合わせの証明を求めたが、病院側に回避され続けた。家族は長期にわたる調査で、2005年7月に母親が人体実験されたことを疑い始めた。息子の黄さんは、10年間心臓外科医の経験を持つ弁護士の話を引用し、母親の健康状態は良好であったことから、心肺の移植を必要とする危篤患者に診断されたはずがなかったとし、劉中民氏が署名した前後のカルテ記録の内容は相反するものであったため、2005年9月5日、浦東新区人民裁判所へ上海東方医院および鎮江第一人民医院に対して提訴した。浦東新区の陸家嘴法廷は、3度開廷したが、未だに結果が出ていない。

*何度も正常者を実験台にしている疑いのある東方医院

陳鳳英さんの夫・黄栄康さんは、現地調査を行った結果、東方医院は福利院、孤児院の児童を含み、何度も正常者を実験台にしたことが分かった。黄さんは手元に約10件の類似被害事例を掌握し、被害者たちは権利主張の団体を設立したという。

上海東方医院で勤務する匿名希望の医師によると、劉中民院長らは何度も名利のために、故意に殺人したことがあるという。また、人体実験の黒幕を暴露しようとした同僚の唐・医師は、劉氏に報復され、家を離れ、異郷を放浪しているという。この医師は、劉院長を「変態」「殺人鬼」と呼んでいた。

(記者・辛菲)

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