中国の富豪トップ、共産党の最高指導部入り 「官商癒着」が深刻化

2011/09/27
更新: 2011/09/27

【大紀元日本9月27日】中国一の大富豪が、来年10月に開かれる中国共産党全国代表大会で党の最高指導機関・中央委員会(党中央)の候補委員に内定した。党中央への民間企業経営者の加入は初めてとなる。「官商癒着」の深刻化が懸念されている。

現在57歳の梁穏根氏は中国の建設機械大手・三一重工のトップ。2011年フォーブス誌アジア版によるランキングでは資産93億ドルで一位に名前が挙げられた。一方、梁氏が内定した中央委員会候補委員という立場には本来、投票権は与えられないが、正式な中央委員に補選される可能性がある。

共産党の路線や方針、国家の発展計画などを決定する最高指導機関に、民間企業の経営者が選ばれるのは初めてのことだ。AFP通信は、これは指導部が民間企業に対して協力を求めるシグナルだと専門家の意見として伝えた。

国内情報サイト・南方網は、梁氏が党中央のメンバーになるならば、三一重工の経営からは退くべきだと主張する。また、これまでも「赤い商人」と呼ばれる国有企業の経営者が、地方の人民代表として行政に参与するのは、自らの権力と利益を守る「盾」を求めた結果だと指摘する。

大型掲示板サイト・凱迪社区に寄せられた文章には、このようなものがある。ペンネーム「無事リュウ猫」さんは、「梁氏の党中央入りはまるで、試合に出るスポーツ選手が同時に審判を務めるようなもので、公平性は望めない」「官商癒着は異常で恐ろしい。経営者らは、(政治的)権力が市場を動かせることを熟知しているからこそ、相次いで政治に参加し、後ろ盾を探している」と指摘。「官商癒着」は公共権利の私物化や資源配分の不公平、業界内の独占化などをもたらすと批判した。

(翻訳編集・張凛音)
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