江沢民政権の裏工作を暴露するドキュメンタリー映画「偽火」、中国ウェブサイトで一時解禁

2012/03/28
更新: 2012/03/28

【大紀元日本3月28日】11年前の2001年、旧暦大晦日の1月23日午後、北京の天安門広場で、国内外を震撼させる「天安門焼身自殺事件」が起きた。

中国国営通信社・新華社は後に同事件について、「法輪功学習者5人が政府の弾圧に抗議するため、自ら体に火をつけ自殺を図った。現場に居合わせた警察らに止められたが、後に2人が死亡した」と報じた。また新華社は、「法輪功を習ったばかりに精神異常に陥ったためこのような行為に走った」と結論付けた。中国国営テレビCCTVも事件後に全過程を収めたという映像を全国放送し、新華社と同様の報道を行った。

一方、法輪功は独自調査を終えた後、焼身自殺しようとした5人は法輪功学習者ではなく、事件は当時の江沢民政権が弾圧政策を正当化するため、プロデュースした茶番劇であると反論した。さらに、江沢民政権の意図は、法輪功学習者を「精神異常者」のレッテルを貼り、集団弾圧に同情していた国民の感情を一変させ、敵視させることが狙いだ、と主張した。

新唐人テレビが後に制作したドキュメンタリー映画「偽火」は、中国国営テレビCCTVが放送した同事件の映像全般を詳しく分析した上で、数々の不審の問題点を割り出した。

この映画は、法輪功の主張を裏付ける有力な証拠となった。2003年11月、米国の第51回コロンバス国際映画ビデオ祭で、栄誉賞を受賞した。

また、事故当時のCCTVの報道映像は、CNN記者が撮影したものとされていたが、CNNはこれを否定し、「CNNカメラマンは事件直後に現場で身柄拘束されて、撮影器材も没収された」と説明した。

『偽火』は公開以来、中国国内ではインターネット情報において封鎖の対象であり、国内の民衆は観閲不可能だった。

一方、CCTVはその後、当時の同事件の映像を再放送する際、「偽火」が指摘した疑惑のシーンを全て省いた。この行為について、法輪功側は「この事件は江沢民政権が捏造した茶番劇であることを裏付けるもう一つの証拠」と指摘した。

「中国国内では法輪功のすべての発言ルートが塞がれているため、同事件を受けて、国民の間では法輪功への悪のイメージが瞬く間に広がった」と法輪功は説明する。

一部の学習者は事件の真相を国民に知らせるため、地方テレビ局の映像信号をハイジャックしてまで、『偽火』の映像を流した。それに対して、当時の江沢民・国家主席は「逮捕したら殺していい」と内部命令を出した。それを受けて全国で大規模な捜査が行われ、多くの学習者が逮捕され、強制収容所で拷問を受けた。

24日夜11時頃、「百度」での「偽火」の情報検索は再び閉鎖された。

ここ最近、武力弾圧された1989年の大学生民主運動「六四天安門事件」の関連情報のほか、法輪功の公式サイトの情報も、大手検索サイト「百度」で相次ぎ一時検索できるようになった。中国問題の専門家の間では、胡・温政権とこれらの弾圧を推し進めた江沢民派との間に、権力闘争が激しくなり政局に変化が現れている兆しだという見解が根強い。

法輪功(ファルンゴン)とは、中国伝統文化の一つである気功の心身健康法である。約20年前から無料で一般に公開普及されてきた。心身の健康に効果が高いことから、一般庶民から政府高官や軍の関係者まで、中国社会の各層で学習する人が爆発的に増え、弾圧直前には、1億人以上が煉功していたと推定されている。当時の江沢民・前国家主席は政権への脅威と受け止め、他の最高指導部のメンバーの反対を押し切って、1999年7月に弾圧を命じた。法輪功の公式サイトは、12年間に及ぶ弾圧によって3400人以上が拷問などで死亡、数十万人は投獄されていると発表した。

 (記者・金晴、翻訳編集・叶子)
関連特集: