2017年9月、北京で開催された国際刑事機構(インターポール)総会で、中国警官が式典で旗を掲げる(interpol.int)
中国「長い腕」

中国高官が総裁のインターポール「共産党に操られている」=米VOA

米国に亡命したベテランの中国民主化活動家・魏京生氏は、米政府系ボイスオブアメリカ(VOA)に対して「インターポールは何年にもわたり中国共産党により操られている。共産党は多額の資金を提供しており、総裁も中国から選出した」と語った。

魏京生氏は、インターポールを批判する著名人の一人。フランスのリヨンにある本部に赴き抗議したり、記者会見や講演を行って、中国共産党の政治利用について働きかけた。これに応じて、インターポールは2018年2月、指名手配リストに載った複数人の名前を削除した。これに中国政府は強い不満を示した。

魏氏によると、多くの国外の民主活動家、チベット、ウイグルの知人は、インターポールから国際指名手配されたことで、中国国内の家族が当局により嫌がらせを受けたという。また「容疑者」として扱われるため、海外にいても出入国や国際イベントでは警察に呼び止められ、暮らしを制限されている。

ニューヨーク在住の高光俊・弁護士は、インターポール指名手配の関連弁護を担ってきた。高弁護士によると、2015年から2016年前半まで、中国政府は数十人の当局者を訪米させてFBIに働きかけ、インターポールの指名手配犯の帰国と逮捕の協力を求めたという。

英国の非政府組織「公平審判」の上級顧問は、組織が指名手配者の基本的人権を侵してはならないとし「もっと問題であることは加盟国190カ国がその共犯になりかねないことだ」と指摘した。

「公平審判」の働きかけにより、ウイグルの人権活動家の「赤い通知」は取り下げられた。中国政府はこの人物を「危険分子」と名指していた。

中国共産党「長い腕」国連まで取り込む

中国の公安部次長・孟宏偉氏をトップに据えるインターポールは、いまだに「通知」の発給条件を明確にしていない。

HRWの中国地区代表ソフィー・リチャードソン氏は、インターポールの「悪名高き不明瞭さ」を批判した。HRWが2018年1月に発表した報告書によると、中国の「赤い通知」発行の要求件数と、その要求に応じた国際指名手配の数は明かされていないという。

先ほど紹介した、魏京生氏にも「赤い通知」が届いている。「誰がインターポールの指名手配者リストに載っているのか、どうして載ったのか、知ることはできない」「中国共産党の恐怖政治が、西側の自由な国へ拡大している」

HRWのリチャードソン氏は、中国の影響力は国連にも及んでいると指摘する。中国の国連職員は中国の人権問題が批判されないよう、水面下で国連人権委員会の専門家に働きかけているという。同氏は一年をかけて、中国職員の動きを記録している。「国連の目的は人権保護にあるが、今はほとんど機能していない」

一方、孟宏偉氏について失脚の噂が出ている。4月11日、公安部次長である同氏は同部の党委員会から除名された。昨年12月、同氏が兼任する国家海洋局副局長、海警局局長の職も解かれた。

同氏のインターポール総裁の任期は2020年までである。

(翻訳編集・佐渡道世)