新疆、大量拘束で「空っぽ」になる村 300万人以上に「再教育」か=人権団体

2018/08/07
更新: 2018/08/07

中国共産党政府は、新疆ウイグル自治区で民族同化政策をますます強めている。海外にある人権監視組織は3日、同地域では300万人が施設に強制収容されたり短期の思想転向のための講習を受けさせられているとの調査結果を報告した。

共産党当局は2017年春ごろから、「強烈な宗教的見解」と「政治的に正しくない思想」を抱いているとして、新疆地区の大勢のウイグル族住民を「再教育施設」に拘禁している。海外の複数の人権団体やウイグル関連組織は、当局支配のもとでウイグル人が監視を受けたり、行動を規制されていると報告している。

人権擁護団体・中国人権保護(CHRD)と提携NGOイコール・ライツ・イニシアチブの調査は、2団体は2017年7月から2018年6月まで、新疆自治区カシュガル在住の数十人の住民にインタビューした。

2団体は、新疆区の南部地域だけでも66万人が収容施設に拘束されており、130万人は強制的に思想の変更を求められる講習会に参加したと推計している。

インタビュー調査を受けたある匿名の住民は、青年から壮年まで大量の人々が拘束されたことで、多くの村や町は人がいなくなり「空っぽになった」と話した。この住民は、「街は一部の老人と(共産党に)忠誠心のある人間だけになった」と述べた。

また2団体のインタビュー調査によると、各村で平均13%の住民が収容施設に拘束されている。村の平均人口は1500~3000人。さらに、少なくとも30%が、半日あるいは終日の再教育講習を受けたことがある。

新疆の再教育施設について、共産党中央政府はこの施設について公的に発表しておらず、収容者の数、場所、収容施設の数など、一切の情報は公表されていない。

2団体は、中国政府による「三邪(反テロ、反過激思想、反分離主義)」政策が最も厳しく実行されている地域が新疆地区だとみている。

調査によると、1130万人の人口を抱える新疆地区で、そのうち30%にあたる330万人が共産党の「再教育」を受けた。110万人が専用施設で拘束されており、220万人は短期の思想転向を迫る講習に参加させられている。

2団体は、調査にはウイグル族ではない他の少数民族や地域外の人々は数えられていないために、実際に再教育を受けた人はさらに多いとみている。カザフスタンに逃亡した新疆の再教育施設元スタッフの女性は7月、同施設にはカザフ族の住民2500人が収容されていると、カザフの裁判所で暴露した。

米ペンス副大統領は7月、中国政府がテロ対策を名目に、数十万人から数百万人ものウイグル人を不当に収容していると強い懸念を表明した。また米連邦議会では、宗教と信仰の自由を侵害する重大問題として、新疆地区の再教育施設が取り上げられており、この弾圧政策に関わる中国政府高官の米国の銀行口座の凍結が検討されている。

(編集・佐渡道世)