大紀元時報

焦点:インド「影の銀行」に信用リスク懸念、淘汰進むか

2018年10月09日 11時56分

[ニューデリー 28日 ロイター] - インドは一部ノンバンクで流動性不足が表面化したのをきっかけに、「影の銀行」全体で信用リスクへの懸念が広がっている。ノンバンクは自己資本が不十分な小規模事業者で免許が大量に取り消されるほか、自己資本が十分で慎重経営の大手が零細事業者を飲み込み、業界で淘汰が進みそうだ。

ノンバンクはこの数週間で大手のインフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシング・サービシズ(IL&FS)が債務不履行に陥った上、大手資産運用会社が住宅金融機関デワン・ハウジング・ファイナンス<DWNH.NS>の短期債を大幅に安い価格で売却したことから、流動性不足の不安が強まった。

バンダン銀行の非常勤会長でインド準備銀行(中央銀行)元副総裁のラシッド・カーン氏は「事態の推移を見ると懸念が広まるのはもっともなことで、業界は統廃合に見舞われそうだ」と述べ、ノンバンクの一部は借り入れが短期で貸し付けが長期という資産と負債のミスマッチの問題に取り組むべきだとの考えを示した。

市場では地方や都市部のローン市場で圧倒的なシェアを持つ、無数のハイリスク・零細ノンバンクに注目が集まっている。インドの影の銀行セクターは今や1万1400社を超えてバランスシートの合計は22兆1000億ルピー(3040億ドル)に上り、銀行に比べて規制が緩い。銀行は不良債権処理問題への対処を迫られて融資手続きが遅れがちなだけに、新たな投資家を引き付けている。

ノンバンクの融資残高は銀行の2倍近いペースで伸び、IL&FSなどトップ集団は最高位の格付けを受けていた。

しかしこうした格付けは疑いの目を向けられるようになり、IL&FSはこの数カ月で何度も格下げに見舞われた。ノンバンクの多くは返済手段のない借り手に融資しており、リスクテークが過剰との懸念が高まっている。また、規制が緩いために資金洗浄に手を染めているところもあるとの疑念が高まっている。

一部の投資家はノンバンクについて、借り入れコストの上昇にこの数日の市場の混乱が追い打ちとなって信用収縮(クレジットクランチ)に見舞われ、自己資本が乏しい企業は生き残りが難しいとみている。

カプリ・グローバル・キャピタルのオーナーのラジェシ・シャルマ氏は「小規模ノンバンクは流動性が今の水準を維持できず、コストの面で問題に直面するだろう。しかし中規模や大規模なノンバンクは流動性や資金アクセスを維持できるはずだ」と指摘。政府からの支援措置がなければ、資産運用で成績を上げられないノンバンクは消滅するだろうと述べた。

中銀は既に2000万ルピー(27万5330ドル)の最低自己資本を満たしていないノンバンクの事業免許を取り消している。

業界団体である金融業発展会議(FIDC)のラマン・アガルワル議長は、最終的に最大1500社が廃業に追い込まれるとの見通しを示した。

一方、元中銀副総裁でインディアブルズ・ハウジング・ファイナンスの取締役を務めるS・S・ムンドラ氏は「ノンバンク業界で合従連衡の動きが一定程度起きる」とした上で、「長期的にみれば業界にとって良いことだ」とした。

(Krishna N. Das and Neha Dasgupta記者)

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