大紀元時報

<中共肺炎>英プレミアリーグ、全試合を中断「1兆円以上の損失」か

2020年03月20日 16時03分
英プロサッカー・サッカークラブのアーセナルのホーム・スタジアムであるエミレーツ・スタジアム(Photo by Dan Kitwood/Getty Images)
英プロサッカー・サッカークラブのアーセナルのホーム・スタジアムであるエミレーツ・スタジアム(Photo by Dan Kitwood/Getty Images)

中国で発生した中共肺炎(COVID-19)の影響は世界のスポーツ界にも及んでいる。3月12日、イングランドのプロサッカークラブ、アーセナルのミケル・アルテタ監督とチェルシーのFWカラム・ハドソン=オドイが、中共肺炎に感染したと確認された。同日、エヴァートン、ワトフォードなど各クラブは、中共ウイルスに感染した疑いのある選手がいると発表した。

この事態を受けて、プレミアリーグは3月13日、4月3日まで全試合を中止すると発表した。3月20日になってリーグ戦の中止期間を4月30日まで延長すると決めた。

英紙タイムズやサンなど複数のメディアによると、全試合の中断でプレミアリーグは莫大な損失を被る。海外および英国内テレビ放映権料の違約金が7億5000万ポンド(約962億円)が発生するほか、試合当日の収益や欧州・英国内カップ戦の賞金など2億ポンド(約256億円)以上の収入も見込めなくなる。さらに、株式市場に上場するプレミアリーグの20のサッカークラブの株価が急落したため、損失総額が90億ポンド(約1兆1547億円)にのぼる可能性がある。

巨大な中国市場に接近したイングランド・プレミアリーグ

イングランド・プレミアリーグは世界最高峰のリーグの1つで、世界各国で10億人以上の視聴者がいる。中国では約1億7000万人のファンがいる。近年、中国当局はスポーツ関連産業の振興に力を入れている。プレミアリーグと一部のサッカークラブは、巨大な中国市場に着目し、中国当局や政府系メディアなどに接近し、中国に事業進出を始めた。

プレミアリーグは2013年12月2日、中国サッカー・スーパーリーグ(中国足球超級聯賽)との間で「協力意向書」を締結した。

中国の動画配信サイト「PPTV」は2016年、プレミアリーグの中国・澳門(マカオ)向け放映権を約5億ポンド(約642億円)で購入した。契約期間は2019~22年までの3年間。海外向けの放映権料として過去最高となった。「PPTV」の親会社は、複合大手の蘇寧控股集団有限公司だ。

2018年11月7日、プレミアリーグと中国サッカー・スーパーリーグは上海で、中高生のユースサッカーの技術向上や審判員の育成などの事業連携を深めると協議を行った。2019年7月、プレミアリーグのアジアカップは上海と南京市で行われた。この期間中にプレミアリーグの幹部らは、蘇寧控股集団有限公司の本部を訪問した。

各サッカークラブのなかで、アーセナルが中国当局に最も近い。同クラブは2012年、中国で事務所を設立した。当時、欧州のサッカークラブのなかで初となった。同年、アーセナルは中国のポータルサイト「騰訊網」でオフィシャル・ウェブサイトを開設した。2014年1月17日、アーセナルは、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と協力パートナー関係を結んだ。2016年1月、アーセナルは中国国営テレビ放送(CCTV)のスポーツ番組「天下足球」と、メディア連携協議を交わした。

また、英サッカークラブ、リヴァプールのTV放送部門は2014年、PPTVでサイトを設けた。2016年以降、リヴァプールとPPTVは協力関係を深めた。他にも、マンチェスター・ユナイテッドは2019年年初、2020年末に北京市と上海市、瀋陽市で「体験センター」を建設すると発表した。クリスタル・パレスとAFCボーンマスも、中国企業とのスポンサー契約を結んだ。

中国の圧力に屈し、人権問題に沈黙

一方、英サッカークラブへの中国マネー進出も目立った。

2015年、中国の華人文化産業投資基金と中信資本控股有限公司(シティック・キャピタル)が4億ドル(約440億円)を出資し、サッカークラブの「マンチェスター・シティ」の親会社であるシティー・フットボール・グループ(City Football Group)の13%株式を獲得した。華人文化産業投資基金の黎瑞剛・会長は、シティー・フットボール・グループ取締役会の一員となった。

2016年7月、中国投資会社の復星集団は、サッカークラブ「ウルバーハンプトン」を4500万ポンド(約57億6512万円)で買収した。

2017年8月14日、中国人富豪の高継勝氏は2億1000万ポンド(約269億円)を投じ、サッカークラブの「サウサンプトン」の80%株式を取得した。

プレミアリーグが中国当局に近づいた結果、中国当局はプレミアリーグの選手に対して言論統制を強めた。昨年12月13日、アーセナルに所属するMFメスト・エジルはSNS上で、中国当局による新疆ウイグル人への弾圧政策を非難した。これを受けて、中国サッカー協会は同月14日、「非常に強い怒りと失望を感じた」と痛烈に批判した。国営CCTVは、14日夜に放送予定だったプレミアリーグのアーセナル対マンチェスター・シティーの試合放送を中止した。

アーセナルは、エジル選手の発言について、12月14日、中国SNSの「微博」に投稿し、「メスト・エジル個人の意見である。アーセナルは、サッカークラブとして政治に介入しない方針を貫く」と主張した。しかし、中国当局の報復措置に対して、アーセナルとプレミアリーグは沈黙した。

中国で発生した中共肺炎は今、パンデミック(世界的大流行)となった。

大紀元英語電子版コラムニストで米作家のジェームズ・ゴーリー(James Gorrie)氏は3月12日の寄稿で、中共肺炎は中国当局の巨大経済圏構想「一帯一路」を通して、世界に広がったと強調した。

ゴーリー氏は、感染者を最も多く出した国は中国当局に近い関係にあるとの見方を示した。感染拡大に関して「経済的利益のために共産党とその残虐行為に目をつぶっている国は、自分でまいた種は自分で刈り取るというルールがあるようだ」

イングランド・プレミアリーグが中共肺炎によって莫大な損失を被ったのも、自らが撒いた「種」であるかもしれない。

(文・田雲、翻訳編集・張哲)

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