大紀元時報

中国共産党による香港の選挙制度改革は「住民の意志に逆らう」政策

2021年03月20日 09時15分
中国共産党による香港の選挙制度改革は「住民の明確な意志に逆らう」政策
中国共産党による香港の選挙制度改革は「住民の明確な意志に逆らう」政策

2021年3月、香港の民主主義と自由の根絶を狙う動きを激化させている中国共産党(CCP)が、香港の選挙制度改革に乗り出した。この変更は共産党支持者がこの国際金融ハブの統治権を掌握できるように構成されている。

アナリスト等の見解によると、共産党の言いなりに議案を採択する「ゴム印議会」と化した全国人民代表大会(NPC・全人代)において、議案「香港特別行政区選挙制度改善に関する全国人民代表大会の決定」が可決されたことは、英国植民地の香港主権が中国に返還・移譲された1997年の香港返還時に共産党が約束した50年間の香港の自治が形骸化したことを示すものである。香港だけでなく、世界諸国の民主化運動家等は今回の中国共産党の措置を非難している。

3月5日、米国国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は記者会見で、「米国は香港の民主的制度に対して継続的な攻撃を続ける中国の措置を非難する」とし、「中国は政治への関与の制限や民主派代表の削減を企んでいるだけでなく、政府や統治に対する香港住民の明確な意志に逆らい、住民の意見を無視するために政治的議論を抑制しようとしている。これは香港の主権、香港の自由、民主的制度への直接的な攻撃である」と述べている。

最近、欧州連合(EU)と中国は双方にとって有利となり得る投資協定を結ぶことで大筋合意したが、今回の事態により発生し得る影響について欧州連合は警告している。 3月3日に27か国の加盟国から成る欧州連合は、「欧州連合は中国政府当局に対し基本的自由、政治的多元主義、民主主義の原則を損なう香港選挙制度改革により発生し得る政治的・経済的影響を慎重に検討するよう求める」と表明した。

ロイター通信の報道では、選挙制度改革により、香港特別行政区立法会(香港立法会)議員と香港行政長官を選出する選挙委員会の制度が変更されることで、立法会における親中派議員の割合が増加する。某中国政府高官によると、同政府の狙いは「愛国者治港(愛国者による香港統治)」である。 民主主義を支持する李卓人(Lee Cheuk-yan)元立法会議員はロイター通信に対して、「これにより、未来の民主主義への希望が完全に潰れる」とし、「これはもはや公平な住民による選挙ではなく、完全な一党支配である」と語っている。 過去18ヵ月にわたり発生した香港民主化デモでは数千人が逮捕されたが、李元議員のその1人である。

サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)紙が伝えたところでは、全人代が選挙制度改革を正式に表明する前、国家安全法(香港国家安全維持法)に基づき「国家政権転覆罪」容疑で逮捕されていた民主活動家と元野党議員等のうち47人が起訴された。起訴内容には、香港区議会議員選挙に向けて民主派が強行した予備選挙へ参加した罪が含まれている。

2020年半ばに全人代が勝手に可決した国家安全法の下では、政治的な転覆や国家離脱などが犯罪として厳格に罰せられる。3月1日の声明で英国のドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相は、今回の民主派の起訴は「政治的な反対意見を排除するために国家安全法が最も厳格な方法で利用されていることを示すものである。同法は安保回復を意図するものであったはずだ」と述べている。

ラーブ外相はまた、中国共産党が抑圧手段として同法を利用していることは、「中国政府が約束した内容と矛盾している。これほど要注意な問題についても約束を翻すとして、自国の信用をさらに傷付けるだけである」と付け加えている。 ロイター通信によると、親中派の香港政府幹部等は、選挙制度改革を理由にして香港区議会議員選挙を2022年9月までさらに延期する模様である。

当初は2020年9月に予定されていた香港区議会議員選挙は、新型コロナウイルス感染症パンデミックを理由に1年間延期されていた。しかし、これは民主派が圧勝を収めた2019年選挙と同様の敗北を親中派が再び味わうのを避けるための方策であったと広く考えられている。

今年、ワシントンDCを拠点とするシンクタンクのヘリテージ財団は、毎年発表している経済自由度指数から香港を除外したと発表した。人口750万人を擁する同都市から民主主義の展望が失われたことが理由である。同指数には他の統治を受けず、完全に独立した経済政策を実現している国のみが含まれる。同指数において、過去25年連続で首位の座を守ってきたこの有名な金融中心地は、2020年は第2位に甘んじることになった。 ヘリテージ財団は3月3日に発表したニュースリリースで、「香港とマカオは中国本土の平均的市民よりも経済的自由度が高いものの、近年発生した事態により両国の政策が最終的には中国政府により管理されていることが明確になった」と述べている。

(Indo-Pacific Defense Forum)

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