2021年2月3日、東京のソニー本社ビル前のロゴマーク(Photo by PHILIP FONG/AFP via Getty Images)

ソニーに約1800万円の罰金 中国の尊厳損なう 専門家「レッドラインを認識できなくなった」

中国当局はこのほど、ソニー中国が中国の「広告法」に違反したとして、100万元(約1800万円)の罰金を科すると発表した。同社は6月末、ネット上で7月7日午後10時に新商品発表会の開催を告知した。一部の中国ネットユーザーは、開催日は日中戦争のきっかけとなった「盧溝橋事件」と同日同時刻だと主張し、同社を非難した。

中国の広告法は、「広告は国家の尊厳または利益を侵害し、国家機密を漏えいしてはいけない」と定めている。

ソニー中国の新製品発表会の開催日を巡って、一部の過激なネットユーザーは「ソニーは中国から出ていけ」「ソニーをボイコットしよう」などと同社を攻撃していた。これを受けて、同社は告知を削除した上、謝罪声明を公開した。

日中関係に詳しい時事評論家の福澤喬氏は19日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して、外国企業が中国に進出する際の「カントリーリスク」に言及し、「中国当局は、政治的な理由で外国企業、特に日本企業に対して締めつけを強化している」と指摘した。同氏はシンガポールの中国語メディア「8視界新聞網」に定期的に寄稿している。

福澤氏は、今年9月に中国当局に営業を停止させられた大連市の商業施設「盛唐・小京都」と、新疆綿問題をめぐってボイコットに遭う日本のアパレル大手・ユニクロを例に挙げ、「(企業は)いつ、どこで中国当局のレッドラインを踏んでしまうのかがわからなくなった」と指摘した。

盛唐・小京都は京都の街並みと中国の唐王朝の面影を融合した観光リゾート地である。8月下旬に開業したが、一部のネットユーザーは、「大連は日本の植民地だった。『屈辱の歴史を忘れたのか』」とバッシングした。世論の批判に晒され、同施設は開業からわずか9日で休業した。

一部の愛国主義者は、新疆ウイグル自治区の人権問題で今後、新疆綿を使用しないと表明したユニクロに対しても、ボイコットを呼びかけていた。

日本の社会科学分野の調査などに特化した台湾の研究機関「台湾日本研究院」の顧問を務める陳文甲氏は、中国当局は「『親米・反中』路線をとる日本政府に強い不満を持つが、日本に対して強硬手段を取ることに躊躇している。その影響で、経済貿易の分野で日本を抑え、日本の外交や軍事政策に影響力を行使しようとしている」とRFAに語った。

陳氏は、「成長と分配の好循環」を掲げた岸田新政権の優先課題は「国内経済成長である」と指摘した。「日本経済の中国への依存度が高いため、中国当局はこれを切り札に日本をけん制する意図がある」と同氏は分析した。

(翻訳編集・張哲)