2021年7月21日、日本の森健良外務次官、韓国のチェ・ジョンクン第一外務副大臣、米国のウェンディ・シャーマン国務副長官による日中韓会談が東京で行われた(Photo by KAZUHIRO NOGI/POOL/AFP via Getty Images)

日米韓の共同会見見送り...ほくそ笑む中国共産党 米軍司令官は3カ国協力の必要性を強調

17日午後(現地時間)、米ワシントンの国務省庁舎で開かれる予定だった日米韓3カ国外交次官共同記者会見が突然中止となった。歴史や領土問題などをめぐり日韓関係の溝が深まるなか、中国は調整を図る米国を牽制しつつ、日韓に対する影響力拡大を狙っている。

中国・王毅外相は18日、林芳正外相との電話会談を行い、日本と中国を「切り離せない隣国」と呼び「地域の主要国であり世界2、3位の経済大国として両国国民とアジア、世界にさらに多くの肯定的なメッセージを吹き込まなければならない」と述べた。台湾以外では強弁を張ることなく「信頼」「共生」「共感」などの友好的な表現を使いながら、来年の日中国交正常化50周年を迎える両国関係の共同努力に重点を置いた。

いっぽう、同日ワシントンで日米韓3カ国会談は直前の韓国警察庁長官の竹島(韓国呼称は独島)上陸でぎくしゃくし、3カ国揃っての共同記者会見は見送られた。この事案を受けて、中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報は19日「日韓紛争を仲裁する米国の能力が低下しているとの証左だ」と論じた。

極東情勢に政治的な揺さぶりをかけようとする中国共産党は19日、ロシアと共同して爆撃機を飛行させた。竹島、尖閣諸島、台湾をめぐるルートだ。米シンクタンク・ハドソン研究所の村野将研究員はこれについて「(中露は)一緒になって日韓および米が仲間割れしそうな困ることをしてやろうという飛行ルート」と短い分析をツイッターで示した。

韓国内でも日韓関係の悪化による中国の影響力拡大を懸念する声が強まっている。韓国・東亜日報は22日の社説で「韓国はクワッド、オーカス、ファイブアイズのような域内多国間協議体のどこにも属していない」点を指摘し、日米韓

また、中国の軍事力増強、台湾への武力行使、サイバー攻撃、先端技術競争が、米国の同盟糾合の試みをさらに強化させている情勢を述べ、日米韓協力の役割と期待は変わりつつあるとの状況を伝えた。

実際、米軍高官もこうした考えを支持している。米インド太平洋軍アキリーノ司令官は20日、カナダで開かれたハリファックス国際セキュリティ・フォーラムで講演し、日米韓3カ国のパートナーシップの発展を期待すると述べた。

「最近、北朝鮮によって複数のミサイルが発射された。朝鮮半島で起きている大事に迅速に対応するためには、これらの国々(日米韓)の緊密な連携が不可欠だ」と話した。さらに、これらのパートナーシップの防衛協力を最大限に発揮するには、2国間サイバー・情報セキュリティの強化が必要だと強調した。