中国新疆ウイグル自治区の「強制措置」懸念=ILO報告

2022/03/15
更新: 2022/03/15
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最近、年次報告書を発表した国連の専門機関「国際労働機関(ILO)」は、中国新疆ウイグル自治区のウイグル人や他のイスラム教徒少数派の労働環境に注目し、雇用選択における労働者の自由を奪う「強制措置」の兆候があるとして深い懸念を表明した。 

また、国際労働機関は中国政府に対して、同自治区住民の権利を尊重する上で実施している対策に関する詳細情報を提出するよう要請している。 

国際労働基準の制定を通して各国の労働者の労働条件を改善する任務を担う国際労働機関が2022年2月に発表した報告書では、労働者の権利に関連して中国北西部に位置する同自治区に対する中国政府の政策に焦点が当てられている。同自治区のイスラム教徒に対する措置に関しては、これまでも人権擁護団体や西側諸国の政府が人権関連の懸念を表明しており、これを大量虐殺(ジェノサイド)と認定した国も存在する。 

870ページに及ぶ報告書の中には、国際的な独立系専門家20人が新疆ウイグル自治区のいわゆる「職業訓練センター」について別の報告書に記載されている中国政府側の見解を引用している箇所が存在する。中国政府の主張によると、同施設は自治区の経済状況の改善および過激主義者の暴力行為の抑制を目的としたものである。 

しかし、専門家等が作成した報告書には、「国際労働機関は中国のウイグル人やイスラム教徒少数派の雇用環境には強制労働を示唆する強い兆候が存在すると判断した。この多くは規制や政策文書に記された方針に関連するものである」と記されている。 

専門家等が主張する「さまざまな兆候」とは、労働者の移送に伴う厳格な警備、労働者の厳重な監視と強制的な「滞留」、「職業訓練センターへの抑留を匂わせて『政府の方針』に従わない労働者を脅迫する行為」に伴うものである。

 国際労働機関は中国政府に対して、「自由な雇用の選択」が存在し、政策面で強制労働の防止が実施されているという詳細な証拠だけでなく、ウイグル人が「職業訓練センター」で受講する課目の種類と受講者数に関する情報の提出を求めている。 

中国政府によるウイグル人の処遇を繰り返し非難してきた米国は、同報告書に迅速に反応した。 米国国務省は声明を発表し、「米国は(中華人民共和国に対して)主にイスラム教徒であるウイグル人および新疆ウイグル自治区に居住する少数民族や宗教的少数派を対象とした大量虐殺と人道に対する罪、そして強制労働を停止することを改めて要請する」と表明した。 

国際労働機関の本部が所在するスイス・ジュネーブのサイモン・マンレイ英国大使は、「強制労働など新疆ウイグル自治区で発生しているウイグル人イスラム教徒の人権侵害の規模と深刻性を示す証拠は広範囲に及んでいる」と述べている。 英国が同報告書を歓迎すると表明したマンレイ大使は、「これにより新疆ウイグル自治区の状況について深い懸念を表明する声が高まる」とも語っている。