10月8日、ルビオ米国務長官は、ポルトガルをはじめとする欧州諸国が重要物資を中国など特定の一国に依存すべきではないとの考えを示した。米国は戦略分野で中国共産党(中共)の影響力拡大を抑えようとしており、EUも対中依存の低減に向けた措置を検討している。
ルビオ氏は今週、アイスランド、ギリシャ、ポルトガルの欧州3か国を歴訪した。最後の訪問先となったポルトガルで、中国の欧州での浸透を懸念しているかと問われ、「米国にとっても、ポルトガルにとっても、世界のどの国にとっても望ましいことではない」と述べた。
さらに、リスボンでポルトガルのパウロ・ランジェル外相と共同記者会見を開き、依存先を多様化する必要があると強調した。
中国資本の存在感大きいポルトガル ルビオ氏が依存に警鐘
ルビオ氏はコロナ流行時にサプライチェーンが寸断された例を挙げ、どの国も、いかなる分野であれ、一国への依存度が95%に達するような状況は避けるべきだと主張した。
特に重要鉱物、核心技術、バイオテクノロジー分野の脆弱性を指摘した。
また、通信インフラの安全確保は引き続き重要な課題だとし、通信分野への外国投資は、他国政府から圧力を受けるリスクにつながると警告した。
ルビオ氏はポルトガルについて、米国のテクノロジー企業が欧州市場に進出するための「理想的な玄関口」と評価した。海底インフラ、比較的安価なエネルギー、鉱物資源、データセンターなどを強みとして挙げた。
一方、海底ケーブルが「世界各地の悪意ある主体による脅威にさらされるケースが増えている」と指摘した。こうした主体が、紛争時にケーブルへ侵入して切断したり、圧力をかける手段として利用したりする恐れがあるとの懸念を示した。
中国への依存は、ポルトガルにとって特に敏感な問題である。中国企業は同国の戦略的に重要な企業で大株主となっている。
中国三峡集団は電力大手EDPの株式22.2%を保有している。中共国家電網は電力網運営会社RENの25%、復星集団はポルトガル最大の上場銀行、ポルトガル商業銀行の20.45%を保有している。
中国からポルトガルへの投資も大きい。ポルトガル中央銀行のデータによると、2024年末時点で中国からの直接投資残高は約121億ユーロに上る。
ランジェル氏は米国を「重要な同盟国」と位置づける一方、中国によるポルトガルへの投資について、EUの現行ルールや今後導入される規則に沿ったものだと述べた。
EUでは現在、対中依存を減らすため、新たなルールの導入を模索している。供給網の多様化や中国からの投資審査の強化、公共調達で欧州企業を優先する措置などが候補に挙がっている。
米ポルトガルの防衛関係
米国とポルトガルは長年、防衛面でも緊密な関係を維持している。米軍はポルトガル領アゾレス諸島のラジェス基地を長年利用しており、その地理的位置から、大西洋地域での米国や同盟国の活動を支える拠点となっている。
ポルトガルは最近、米国による対イラン軍事作戦を支援するため、ラジェス基地の使用を原則として認めた。
ルビオ氏は、米国はポルトガル国内の軍事施設の使用を定めた既存の二国間協定を順守していると説明し、対イラン作戦で米国が同盟国の主権を侵害したとの批判を退けた。
「簡単に言えば、われわれの駐留や基地の使用を定めた既存の協定がある。同盟国への敬意と、NATO同盟国との協定上の義務に基づき、われわれは常にそれを順守している」と述べた。
ルビオ氏とランジェル氏はリスボンでの会談で、中東情勢についても協議した。ポルトガルはイラン当局の核兵器取得を阻止するための外交努力を支持する一方、自国は紛争の当事国ではないとの立場を示している。
ランジェル氏は会談後、老朽化したF-16戦闘機の後継機について、国益に基づいて判断すると表明した。米国が提案するF-35戦闘機案を真剣に検討する一方、ほかの選択肢も検討しているという。
ポルトガルは、改修済みのF-16M戦闘機28機の後継機を選ぶ正式な入札手続きにはまだ入っていない。ただ、調達をめぐる競争は激しさを増している。この調達は、ポルトガルと欧州または米国のパートナーとの防衛関係をさらに深めることになる。
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