IMF 中国成長率を4.5%に下方修正 世界経済にも下振れリスク

2026/10/15
更新: 2026/10/15

国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し」で、世界経済には下振れリスクがあるとの見方を示し、中国の2026年のGDP成長率予測を4.5%に引き下げた。

IMFが10月13日に更新した報告書では、中国の2026年のGDP成長率予測は、7月時点の4.6%から0.1ポイント下方修正された。原油価格の上昇や中国国内の消費低迷などが背景にある。IMFの予測は、中国共産党(中共)当局が掲げる今年の成長率目標を下回った。

報告書は、不動産市場の低迷が続くなか、輸出の伸びは個人消費の低迷や投資減速による下押しを一部相殺するにとどまると分析した。

IMFは2027年についても、中国経済の成長がさらに鈍化するとみている。7月時点では4.1%としていた成長率予測を、最新報告で4.0%へ引き下げた。

消費・投資が低迷 輸出企業にも圧力

中国では景気減速が続き、消費の低迷や投資の鈍化に加え、輸出企業も厳しい経営環境に直面している。

大紀元が行った貿易企業への取材で、中国の輸出企業責任者、陳放氏は、投資、消費、輸出の3分野がいずれも景気減速の影響を受けていると語った。人民元高も企業の利益を圧迫しているという。

沿海部にある中規模貿易会社の経営者、徐光氏は、2025年に米国が関税を引き上げ、2026年にEUが少額小包への課税を始めて以降、中国製品の輸出量が目に見えて減少したと話した。

輸出企業を経営する趙樸氏は、中共当局が発表する輸出増加の統計に疑問を呈した。

「空のコンテナが山のように積み上がっている。輸出は急減しているはずなのに、統計では増えている。いったいどこで増えているのか」

世界経済にも下振れリスク エネルギー・食料高を警戒

世界経済について、IMFは2026年の成長率を3.1%、2027年を3.4%と予測した。

世界のインフレ率は2026年に4.7%へ上昇した後、2027年には4.1%へ低下するとみている。インフレ率上昇の主な要因として、エネルギーと食料価格を挙げた。

IMFはまた、地政学的な対立と技術競争が重なり、世界経済の分断が進んでいると分析した。有利な貿易条件やハイテク関連の輸出・投資が一部の国を下支えする一方、別の国では輸入コストの上昇や需要低迷が重荷になっているという。

世界経済には依然として下振れリスクがある。

中東情勢が長期化・悪化すれば、エネルギーや食料価格の高騰と変動が続き、インフレ圧力が再燃する恐れがある。財政や対外収支も悪化し、経済成長を圧迫しかねない。

エネルギーインフラのさらなる破壊やサイバー攻撃、異常気象も、こうした影響を拡大させる恐れがある。IMFは、供給途絶による物価上昇は、地政学的リスクそのものよりもマクロ経済に大きく、長期的な影響を及ぼすとみている。

AI関連企業の収益力や生産性向上への期待が見直されれば、投資が大幅に減少し、株式市場の調整や金融環境の引き締まりにつながる恐れもある。ハイテク分野のサプライチェーンに深く組み込まれた国・地域にも影響が広がる可能性がある。

さらに、財政基盤の弱さや新たな貿易摩擦も、世界経済の成長を押し下げる要因になると警告した。

米国2.3%、ユーロ圏1%台の成長予測

IMFは米国の経済成長率について、2026年、2027年ともに2.3%と予測した。2027年については従来予測から0.2ポイント引き上げた。

堅調な個人消費や財政政策、緩和的な金融環境に加え、ハイテク分野への継続的な企業投資と生産性の伸びが経済活動を支えていると分析した。

一方、ユーロ圏の成長率は2026年が1.1%、2027年が1.2%と予測した。

任義