サム・ブラウンバック元米国際宗教自由担当大使は2月4日、下院外交委員会アフリカ小委員会の公聴会で証言し、中国共産党(中共)は信仰弾圧において「神への戦争」を仕掛けていると述べ、こうした迫害を宥和すれば世界にさらなる侵略を招くだけだと警告した。
ブラウンバック氏は公聴会で、宗教の自由は持続的な平和を支える「安定化の力」であり、それへの脅威は「重大な世界的安全保障問題」だと指摘した。
さらに、宗教迫害は単なる人権問題ではなく、自由そのものが脅かされている兆候だと強調し、政権が信仰を弾圧することは他の自由を抑圧する前触れでもあると述べた。
また、中国共産党が共産主義的・権威主義的・全体主義的な体制の連携を主導し、信仰者を支配するためには手段を選ばないと批判した上で、同党は信仰者を脅威と見なしており、信仰者は最初に攻撃される一方で最後まで立ち続ける存在だと語った。
ブラウンバック氏は「中共は今年だけでも国内のあらゆる信仰を抑え込むために数十億ドルを費やす。ウイグル族のイスラム教徒、チベット仏教徒、キリスト教徒を弾圧し、そして国内で生まれた団体である法輪功に対して最大の怒りを向けている」と述べた。
法輪功は、緩やかな動きの功法と「真・善・忍」に基づく教えを特徴とする精神修養法である。1992年の紹介後に急速に広まり、1990年代後半には実践者数が約7千万人に達したと公式推計された。1999年、中国共産党は法輪功への弾圧を開始し、信仰を放棄しない人々を非公式な拘禁施設や労働収容所で拷問にかけ、さらには強制的な臓器摘出にまで及ぶ弾圧を続けている。
米国拠点の迫害追跡サイト「明慧ネット」によると、2025年には法輪功学習者4800人以上が恣意的な逮捕や警察の嫌がらせを受け、750人以上が信仰放棄を拒んだとして判決を受けたことが確認され、同年の死亡例は124件が記録されている。
公聴会では、中国系米国人のグレース・ジン・ドレクセル氏が、中共によるキリスト教弾圧も拡大していると証言した。
ジン・ドレクセル氏は、父であるエズラ・ジン牧師が中国のシオン教会への一斉摘発後、10月以来中国で拘束されていると述べている。過去1年間、当局は日曜礼拝中の教会集会を妨害し、150人以上の牧師や信徒が脅迫、拘束、尋問に直面したという。

中共当局は弾圧を「宗教の中国化」と説明しているが、ジン・ドレクセル氏はそれを「弾圧を覆い隠すための宣伝だ」と述べた。
ジン・ドレクセル氏は「中国のキリスト教徒は何世代にもわたり中国人であり、中国人学者が翻訳した中国語聖書を使い、中国人信徒が作曲した賛美歌を歌い、中国人牧師が家庭教会を導いてきた」と述べた上で、「中国化とは、十字架を取り外し習近平や毛沢東の肖像に置き換えることを意味する。賛美歌を宣伝歌に置き換え、聖書を党のイデオロギーに沿うよう書き換えることを意味する。実際には宗教生活を完全に共産党の統制下に置くことだ」と語った。
国際自由サミット
中国共産党による宗教弾圧は、公聴会およびそれに先立つ議会内のイベントで中心的議題となった。
ガス・ビリラキス下院議員(共和・フロリダ州)は午前のイベントで「中国は世界で最も洗練された迫害者だ」と述べ、強制的な臓器摘出をその一例に挙げた。
これら2つのイベントは国際自由サミットの3日目にあたり、参加者は中共による宗教迫害を理由に中国への制裁を求めた。午後には、ユダヤ教コミュニティから法輪功に至るまで迫害を受けた信仰団体がパネルに参加し、互いの信仰の自由を訴えた。
午前の集会で発言したアンディ・ハリス下院議員(共和・メリーランド州)は、より具体的な対抗措置の重要性に同意し、宗教の自由を抑圧する国に対しては、中国であれ他国であれ、世界各国は制裁という手段を用いるべきで、あらゆる手段を使うべきだと語った。
さらに「宗教の自由に対する扱いは、貿易を含むあらゆる交渉の一部であるべきだ」とも述べた。
ジュディ・チュー下院議員(民主・カリフォルニア州)も、中国の抑圧的環境に懸念を示し、「米国では憲法修正第1条により何でも発言する権利が保障されている。すべての国が同様であればと願うが、中国ではそうではない」と述べた。

ブラウンバック氏はその後のインタビューで、中国の宗教自由問題は目を背けることができないほど深刻だと述べ「現在中国ではウイグル族に対するジェノサイド、法輪功に対するジェノサイド、チベット人に対する文化的ジェノサイドという三つのジェノサイドが進行している」と語った。
ジン・ドレクセル氏は、父のために声を上げ始めて以来、母が連邦捜査官を装う人物から脅迫電話を受け、自宅ガレージ内で車のタイヤを切り裂かれたと述べた。夫も複数回ハッキング未遂を受け、自身もワシントンで監視や尾行を受けたという。
ジン・ドレクセル氏は、中共政権は、米国であっても声を上げれば結果が伴うことを世界に示そうとしていると述べた。
また恐怖を感じることもあるとしつつ、「キリスト教徒として、神が共におられると信じ勇気を持つよう召されている」と述べ「神は銀を精錬するように私たちを試しておられるが、神は私たちを見捨てていないと信じている」と語った。
ブラウンバック氏は、迫害を受けている信仰団体は「最大の同盟者」だと述べ「彼らは敵の背後にいる人々であり、内なる信仰で恐怖を乗り越え、命を賭してでも体制に立ち向かう」と語った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。