3月1日、中国本土の人々は目覚めとともに再び衝撃的なニュースに直面した。2月28日にアメリカとイスラエルが共同で実施した大規模空爆により、イラン最高指導者ハメネイ師を含む数十人の政府・軍高官が精密攻撃によって殺害されたと伝えた。
犠牲者には、イスラム革命防衛隊司令官、国防相、イラン軍緊急指揮本部情報局長ら、イラン政局を左右する中枢人物が含まれているとされ、イランの政権崩壊は目前に迫っているとの見方も出ている。
これに先立ち、中国国内で大きな衝撃を与えたのは、1月初旬にベネズエラのマドゥロ大統領が米軍に拘束され、その後ベネズエラ当局がアメリカとの協力を発表したとする出来事であった。二つの重大事件の背後にいる決断者は、「アメリカを再び偉大にする」と掲げるトランプ大統領である。
中国共産党(中共)の官製メディアは、ハメネイ師の死について「殉職」「哀悼」などの表現を用いて報じたが、一方で事情を知る中国人の間では、少なからぬ人々が多くのイラン国民と同様に歓迎の意を示したとも伝えている。
米イスラエル両軍の精密な計画、卓越した情報能力、強力な軍事力に感嘆する声とともに、同様の出来事が中国本土でも起きることを望む意見も見られた。
中国国内では、経済や「ゼロコロナ」政策などで、中共政権への不満が高まり、体制変革を望む声が強まっており、各地で地元当局に抗議する様子もたびたび見られる。
そうした中で、ハメネイ師をはじめとするイラン高官の死亡は、北京の中枢にも衝撃を与えた。
党総書記や政治局常務委員、政治局委員のみならず、省・部級高官に至るまで、3つの問題に直面せざるを得ないとの分析も出ている。
第一の問題は、中共の軍事力が米軍に対してどれほど持ちこたえられるのかという点である。
ベネズエラ、そして今回のイランにおいて、マドゥロ大統領やハメネイ師が頼みとした中国製・ロシア製の防空レーダーおよび防空ミサイルシステムは、期待通りの成果を上げなかったと報じている。
報道によれば、ロシア製地対空ミサイルシステム「S-300」および「Tor(トール)」は、ステルス機に対する迎撃の切り札と見なされてきたが、空爆初期に複数のS-300および車両がイスラエル軍の精密攻撃や米軍の電子妨害によって破壊された。核施設の防衛に用いていたTorも、低空侵入する特殊無人機の迎撃に十分対応できていない。
さらに、昨年イスラエル軍により短時間で防空システムを突破された後、イランが中共から緊急導入した中国製地対空ミサイル「紅旗9(HQ-9B)」や中国製レーダーシステムも、今回の空爆では充分な効果を発揮できなかったとの見方がある。
「紅旗9」は最大射程200キロ超、最低迎撃高度15メートル、電子妨害耐性や高速・低レーダー反射目標への対処能力を備え、性能の一部はロシアのS-400に匹敵すると報じられ、近年国際防衛産業に急速に進出している。
しかし、アメリカとイスラエルの精密な戦略の前では、中ロが製造する防空システムは形骸化した。ハメネイ師らが最期にその現実を認識したのではないかとの見方も出ている。
イラン高官層の壊滅的打撃を受け、中共の部級以上高官の間でも、同様の事態が起きた場合への懸念が広がっている。
さらに、中共軍内部では、中央軍事委員会副主席の張又侠らの失脚が相次いだことを背景に、組織の結束力に疑問符がついている。現代戦は、ハイテク兵器や統合作戦能力が鍵を握ると言われるように、中共軍がどこまで対応可能かが問われている。
第二の問題は、仮に米中が軍事衝突に至った場合、米軍の能力を前に、中共の高官自身が標的となる可能性である。中共が国内外に及ぼしてきた影響を熟知する高官の中には、将来への不安を抱く者も少なくない。
体制維持のために党指導部と運命を共にするのか、それとも別の道を模索するのか。表面的には安定して見える中枢内部でも、亀裂が拡大している可能性がある。
第三の問題は、今後の進路である。
中共が支援してきた各国指導者の末路を挙げる声もある。チャウシェスク、カダフィ、サダムらは殺害され、ノリエガ、ムバラク、ミロシェビッチらは失脚後に拘束・裁判を受け、マルコス、アサド、ヤヌコビッチらは国外へ退去した。
国内では社会不満が高まり、国際社会でも対中包囲網が強まる中、中共政権を取り巻く環境は厳しさを増している。
トランプ大統領の復帰や国際秩序再編の動きとともに、中共の対外活動や人権問題がより厳しく問われている。
体制の行方を見据え、中共高官らがどのような選択をするのかが注目されている。現状維持を選べば、将来的なリスクが高まるとの見方がある一方、体制転換の可能性に言及する声もある。今後の展開が注視される。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。