給与返還の強制に続き 万科の元幹部らが相次ぎ連行  清算の始まりか

2026/03/31
更新: 2026/03/31

数日前、深刻な債務危機に陥っている中国の不動産大手・万科が、中核幹部に対し過去4年分の年俸返還を要求したとのニュースが流れたばかりである。そして今、すでに退職して数年が経過した複数の元幹部が連行・調査されているとの情報が飛び込んできた。外部では、万科による離職幹部への遡及調査が本格的に始動したのではないかとの憶測が広がっている。

最近、万科の西南地域事業部(中国南西部を管轄する部門)の内部情報として、貴陽万科の元総経理である呉忠友が連行され、調査を受けていることが明らかになった。同時に、万科の元取締役会秘書で雲南万科の元総経理である王潤川も連行されたという。

特筆すべきは、今回連行された呉忠友が貴陽万科を離れてからすでに数年が経過しており、現職ではないにもかかわらず責任を追及されている点である。調査の内容は、10年以上前の提携プロジェクトにまで及んでいるとされる。

時を同じくして、雲南万科の元総経理である王潤川も調査対象となった。王は、当時の郁亮(ユー・リャン)元取締役会主席が重用した精鋭の一人であった。2015年7月から5年間にわたり雲南万科の総経理を務め、同拠点の売上高を20億元から200億元近くまで急成長させた人物である。

かつて郁亮元主席が当局の事情聴取(「お茶を飲む」)を受けたと噂された際、万科では多くの中核幹部が自主的に離職した。しかし、離職から数年経っても責任を遡及される現状は、「離職=免責ではない」という明確な信号を放っている。これにより、現職の幹部たちの間でも不安が広がり、戦々恐々とした状況にある。

また、業界関係筋や市場の情報によると、深セン万科の『瑧山府』プロジェクトを主導した担当者も最近連行された。その理由は、当時行われた『博商資管(資産管理プラットフォーム)』を介した不透明な資金運用や金融操作の問題にあると見られている。

わずか3日前、中国メディアは万科の幹部らが2021年から2024年までの4年分の年俸返還を求められたと報じた。噂によれば、すでに退職した郁亮元主席が600万元、強制措置を受けている祝九勝元総裁が1700万元、朱旭元取締役会秘書が当局の面談を受け1千万元の返還を求められたとされる。対象は過去4年間の全中核幹部に及ぶ。郁亮元主席にいたっては、返還資金を捻出するために不動産の売却を始めたとの話も出ている。

万科側はこの件を否定しているが、「火のない所に煙は立たぬ」として、大衆の多くは事実であると受け止めている。この4年間という期間は、宝能集団による敵対的買収に対し、創業者の王石が深セン地鉄(深鉄)と組んでこれを撃退し、最終的に王石が退任、郁亮が表舞台に立ち、深鉄が筆頭株主となった時期と重なる。

現時点で、万科ではすでに複数の中核幹部が連行・調査されている。

辛傑:元万科集団会長。2025年9月に連行。

祝九勝:元万科集団総裁・CEO。2025年10月に刑事強制措置が確定。

張海涛:元深セン万科ローテーション総経理。2022年12月、非国家工作員受賄罪により懲役8年の実刑判決。

程林棟:元四川万科眉州置業会長(成都エリア中核責任者)。2023年9月に立件され、受賄罪により懲役11年の実刑判決。

肖勁:元済南万科総経理。2024年4月に山東省警察により連行。万科側は「個人の案件」であり経営とは無関係と発表。

李昇陽:元万科南方エリア都市更新総経理。2023年5月に仏山警察により連行。数年前の仏山でのプロジェクトに関連した調査への協力とされる。

中国メディアの独自の統計によれば、2022年から2026年3月までに、少なくとも10名以上の中核幹部が調査、判決、または刑事強制措置を受けている。その範囲はグループ会長や総裁から、地方のプロジェクト責任者にまで及んでいる。

また、創業者の王石はすでに退職して久しいが、現在は出国制限に直面している模様である。万科は2024年末から中核幹部の出国管理を強化しており、王石の妻である田朴珺も一時期「辺控(出国制限)」の対象となっていた。その後、日本にいる娘の世話が必要であるとの理由で解除されたという。

現在、万科は深刻な債務危機に直面している。今後数ヶ月以内に、110億元を超える国内債券が償還または買い戻しの期限を迎える。その中には、まもなく満期となる5つの債券と、買い戻し期限が迫る2つの債券が含まれている。

林清