陳光誠氏の名誉毀損訴訟 オンラインで弁論準備

2026/04/08
更新: 2026/04/08

4月7日、アメリカ在住の盲目の人権活動家、陳光誠氏が王志安を名誉毀損で提訴した訴訟の弁論準備手続が、オンラインで行われた。

元中国中央テレビ記者で、現在は日本でユーチューバーとして活動する王志安は、昨年8月、自身のYouTubeチャンネルで公開した動画の中で、「陳光誠は目はちゃんと見えている」と繰り返し主張した。この動画はすでに62万回再生されている。

陳氏は幼少期に視力を失った後、独学で法律知識を身につけ、農民や障害者らの権利擁護に取り組み、「はだしの弁護士」として知られている。陳氏は、「事実の名を借りて誹謗を行った行為」について王志安氏に法的責任を負わせるため提訴したと強調し、3億3千万円の損害賠償を求めている。

今回の弁論準備で主な争点となったのは、米国籍の陳氏が中国籍の王志安を東京地裁で訴えることができるのか、また、どの国の法律が適用されるのかという点だ。

陳氏側の代理人を務める勝部環震弁護士によると、王志安側はすでに答弁書や準備書面を提出しており、これによって「応訴管轄」が認められ、東京地裁で審理することについての第1の問題はクリアされたという。

一方、被告側は「本件は(陳氏在住の)メリーランド州法で裁判が行われるべきだ」と主張している。

メリーランド州法には「Defamation Per Se(当然の名誉毀損)」という概念がある。これは、職業やキャリアを直接的に損なうおそれのある発言について、被害者が個別に損害を立証しなくても、裁判所が損害の発生を推定し、賠償を命じることができる制度だ。

これについて勝部氏は、「陳先生にとってむしろ有利なルールである」としたうえで、「我々はメリーランド州法でも全く構わない」と述べた。

また、インフルエンサーが過激な発信によってYouTube広告収益を得ている構図について、勝部氏は「日本の損害賠償は『損害の補填』という発想で、慰謝料も100万〜200万円程度と非常に低い」と説明した。そのうえで、「陳光誠氏のような著名人を叩けば 、関心を得て再生回数が上がり、何千万、何億円と集められる 。 こちら(原告側)に対して100万円ぐらい払えばいいというような、不合理な結果が生じてしまうのはやはり大問題だ」と指摘した。

さらに、日本法の下でも、損害の埋め合わせを超えた制裁としての「懲罰的賠償」が可能かどうかについて、「本件では是非トライしたい」との考えを示した。

その理由については、「懲罰的なものとして、もっと大きな賠償額を裁判所が認めてくれないと、この種のケースは決して減らないところだ」と述べたうえで、「今回、たまたまアメリカ人と中国人の争いになっているが、日本でも、その点に関する議論は深めていかなくてはならないと思う」と語った。

次回の弁論準備手続は、5月13日にオンラインで行われる予定だ。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。