7月6日、中国南部・広西チワン族自治区で複数のダムが決壊し、大規模な洪水が発生した。横州市を中心に多くの村が浸水・孤立し、住民の中には3日以上救助を待ち続けた人もいる。
その一方、中国当局は救援活動をアピールする映像を連日発信している。
災害情報まで厳しく検閲する中国では、被災地の実態を海外から正確に知ることは容易ではない。それでも検閲をすり抜けた一部のSOS投稿やボランティアの発信が海外SNSにも転載され、孤立した住民の深刻な状況が少しずつ明らかになっている。
横州市六景鎮木塘村の住民は8日、中国SNS「RED」に「近くの民間ドローンで食料を届けてほしい。費用は払う」と投稿した。高齢者や子供を含む多くの住民が食料不足に陥り、中には3日間ほとんど食事ができていない人もいるという。住民同士で募金し、わずかな食料をドローンで運んでもらい命をつないでいた。
住民は「2日間、何度も救助を求めて電話したが、消防も救援隊も来なかった」と訴えた。通信も不安定で、助けを求める投稿は削除されたケースもあった。
被害が大きかった横州市や周辺地域では、公的支援が十分に届かず、多くの住民が自力で危機をしのいでいた。住民は手作りのボートに乗って外へ出て食料を調達し、近所同士で食べ物を分け合いながら命をつないでいたのだ。
4日間孤立した村では、「魚を捕って食いつないでいるが、水も不足している」と苦しい状況を伝えている。
一方、中国のSNSには当局の救援活動を紹介する映像を数多く投稿している。しかし被災者からは「浅い場所で撮影した映像ばかりで、本当に被害が深刻な地域には救助は来ていない」「救援物資は大通りだけに配られ、奥の路地には届かなかった」といった不満の声が相次いでいる。
救援物資を運んだボランティアは、現地で目にした光景をこう振り返る。「一緒に活動した仲間も涙を流していた。取り残された地区では再び水位が上がり、六、七十代の高齢者が『饅頭をください』と、私たちの前にひざまずいて頼んできた」
近年、中国では民間の救助隊が被災地で活動するには、当局の許可を受け、その指示に従うことを求める。当局は安全確保のためとしているが、ネット上では「被害の実態を隠すためではないか」と疑問視する声も少なくない。
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