北朝鮮 「強制」労働者を中国・ロシアに派遣し外貨獲得=国連

2015/11/04 13:30

 北朝鮮は、外貨獲得のため、中国やロシアへ数万人の労働者を派遣させ、毎年、数十億ドルを集めており、労働者は奴隷に近い条件で働いていることが、10月28日、米ニューヨークで開かれた国連総会で発表された報告書で明らかになった。

 報告書によると、大多数の労働者が中国とロシアに送られ、鉱業、林業、繊維、建設産業に従事しており、その他南米、アフリカや中東、東南アジアでも働いている。その数は約5万人にのぼり、現在も増え続けているという。

 北朝鮮人権特別報告官マルズキ・ダルスマン氏は総会で、「かなり厳しい財政と経済状況に置かれる北朝鮮では、海外労働者が新しい収入源になっている」と述べた。また北朝鮮当局は「市民・政治権利に関する国際規約」に反しており、北朝鮮からの労働者を受け入れる海外企業は「共謀者」であると非難した。

 報告書によると、海外の北朝鮮労働者たちは奴隷に近い条件で働いている。平均月給はわずか120~150ドルで、さらに収入の「かなり高い割合」を北朝鮮当局に回収される。一日20時間も働かされるときもあり、満足な食事はとれず、1カ月の休日も1日~2日しかとれない。安全対策はおろか、事故に遭っても現地当局に報告されない。また、北朝鮮の監視係が、常に厳しく労働者の行動を見張っている。

 米CNNは同月、クウェートの建設現場で5カ月間、給与を与えられることなく働いた北朝鮮の男性を取材した。その中で、この男性は、仕事を終えた後も監視され、夜は金正日総書記(当時)のビデオを見ることを余儀なくされた。その後、この男性は、同国韓国大使館に亡命した。

 人権監視団体「北朝鮮海外労働人権国際ネットワーク」の2012年度報告書によると、北朝鮮当局は毎年12億ドル~23億ドルを海外労働者から集めているという。

 ダルスマン氏は、国連保安評議会は北朝鮮の人権状況について 国際刑事裁判にかけなければならないと強く訴えているが、常任理事国である中国・ロシアに反対されるだろうと予測している。

 ダルスマン氏によると、北朝鮮を国際社会に引き入れる方法について、中国の外交官と議論をした際、最近の中朝の関係がかなりの緊張状態にあることを、中国側は言及したという。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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