中国からの「腐敗」影響を食い止めるか 米トランプ新政権の改革=元中国外交官

2016/11/28 13:41

 ドナルド・トランプ次期米大統領は21日、就任後100日間で実施する行動計画を発表した。そのなかの優先6項目のうちの一つが、政治倫理改革だ。シドニー中国領事館の元外交官・陳用林氏は大紀元の取材に対して、トランプ氏の実施しようとしている既得権益政治の打破は、中国共産党政権が西側諸国に及ぼす影響力に打撃を与えうるとの見方を明かした。

中共に寄り添った米政治家 トランプ氏の改革で打撃受けるか

  陳氏は「欧米諸国に対する中国共産党政権の積極的な働きにより、各国の政界に腐敗が蔓延した」として、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官を例に挙げた。「彼は在任中に築き上げた人脈を利用して、中国共産党政権の利益のためにロビー活動を続けて、アメリカの国益は大いに損なわれた。その見返りとして、中国から計り知れないほどの恩恵を受けた」と語った。

 トランプ氏は選挙時の公約どおり、米政府職員の腐敗を防止する策を提起している。「ワシントンの汚職と特別な利害関係の一掃」計画の一環として、ホワイトハウス高官や議会高官が退職後5年以内にロビイストになることを禁止するほか、行政官が外国政府のロビイストになることについては無期限で禁止することも求めている。

 陳用林氏は現在、オーストラリア政府から保護ビザを発給され、同国に居住する。「米国人はすでにこのことに気づいているが、オーストラリアはまだその深刻さをきちんと認識していない」と述べた。

 また、昨年10月にオーストラリア貿易投資大臣を辞職し、政界から引退したアンドリュー・ロブ氏を例に挙げた。陳氏によると、複数のロビー団体に所属するロブ氏は8月、中国の嵐橋集団(Landbridge Group)上級経済顧問に就任した。その目的は、同氏の影響力を見込んで豪政府内でのロビー活動と分析する。

 また陳氏は、ロブ氏はその在任中に中豪自由貿易協定(FTA)が締結された際、豪政府に対し、嵐橋集団とダーウィン港管理契約を結ぶよう強く働きかけた人物であるとも指摘している。

 ダーウィン港は豪州北海岸線の戦略拠点として極めて重要な位置を占めており、海運物流の拠点として年間340万トンもの貨物を扱っている。また在豪米海兵隊の駐留拠点もすぐそばにあるため、豪政府が中国軍とのつながりも囁かれる中国企業にダーウィン港を99年間のリース契約を交わした際、米国が強い不快感を示したことにも触れた。

 さらに同氏は、豪内閣の『政府職員は、辞職後1年半はロビー活動を行ってはならない』という規定を取り上げ、ロブ氏はこの規定に明らかに違反しており、マスコミにもそれを暴露されたが何の懲罰も受けていないとして、豪政府はこの規定を無視しているとの見方も示した。

 またトランプ氏の反腐敗キャンペーンについて、もし正式な立法措置に基づき実施するならば、中国の影響力に打撃を与えることになると強調した。「中国外交部に所属していた時に既に知っていたことだが、中国政府は米国内に多くのロビー会社を抱え、米国の国会議員に対しロビー活動を行っている。そのために多額の費用をつぎ込んでいるが、これらは実のところ米国官僚に対する賄賂に他ならない。そして彼らが中国政府のために活動すれば、米国の国益が損なわれることになる」

 最後に同氏は、「豪州政府には中国政府の影響力が深く浸透している。しかもそのことを、豪州政府自身も重く見ていない。私はトランプ氏が今回の(腐敗撲滅)措置を取ると知り、本当にうれしく思う。それはまさに、素晴らしいロールモデルとなるからだ」と語り、トランプ氏が今後、政治倫理改革を推進することについて強い期待を寄せた。

(翻訳編集・島津彰浩)

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