大紀元評論員・謝天奇

金正男氏の後継者問題に見る 中国共産党、習派と江派の争い

2017/02/17 11:30

  中国当局は、金正恩政権が崩壊した場合、代わりに金正男氏を新たな指導者に擁立しようと考え、金正男氏を保護してきた。金正男氏は将来、北朝鮮の新たな政権の指導者と見なされていた。

 北朝鮮の金政権は長い間、前総書記の江沢民が率いる派閥の支配下に置かれていた。海外メディアも周永康、曽慶紅といった江派閥の重鎮と金ファミリーとの密接な関係や、江派閥要員が北朝鮮の核開発に関与したことを報道している。北朝鮮の最高権力を掌握してから、金正恩氏は江派閥の周永康や劉雲山と頻繁に接触していることが分かる。

 一方、習近平氏の対北朝鮮戦略は、江派閥の戦略と大きく異なっており、金正恩政権と距離を置いている。国家主席に就任後5年間、今まで一度も金正恩氏と会談していない。

 中国共産党政権の金正恩氏に対する「中国の地盤(勢力範囲)内で金正男氏の暗殺を企むな」との警告は、北朝鮮金政権の支配において、中国共産党内の習近平派、江沢民派、各派閥間で共通認識だったと考えられる。同時に、金正恩政権に対して、越えてはいけないレッドラインを突きつけた。しかし金正男氏はマレーシアで暗殺されてしまう。

 中国メディア「鳳凰網」は2月14日、評論記事で、金正恩氏が北朝鮮最高権力の継承権を独占しようとする野心から、兄の暗殺を実行したと分析している。

 金正男氏が暗殺されたことは、中国共産党内部の習近平派と江沢民派の共通認識が打ち破られ、抗争が激しさを示している。同時に、金正恩氏がレッドラインを越えたことで、これまで中国と北朝鮮というイデオロギー的盟友であった関係に亀裂が生じたことも意味する。

 いまや、江派閥の支配を受ける金正恩政権は、習近平政権下の国内外情勢をかく乱し、江派勢力を復活するための一つの駒となった。

金正恩暗殺計画も?窮地に追い込まれた北朝鮮

韓国メディア「朝鮮日報」の2010年の報道によれば、韓国政府の情報筋として、金正恩氏が後継者と内定されてから、その側近が金正男氏への暗殺を企ててきたが、習近平政権当局は金正恩氏に対して「中国の地盤(勢力範囲)内で金正男氏の暗殺を企むな」と警告していたという (JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)

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