情勢不安定な参加国が多い「一帯一路」、利益回収は難しい=海外メディア

2017年05月26日 16時00分

 海外メディアはこれまで、「一帯一路」の投資資金がどこから出るのかに注目してきた。現在の状況をみると、大部分は中国当局が拠出するものだ。しかし、中国の対外投資総額に占めるその資金の割合は少なく、他の中国国有銀行の投資にも及ばない。米誌「フォーチュン」は、一帯一路の投資規模は、中国の対外投資総額の9%しかないと指摘した。

「政治化」で収益が限定される

 この「一帯一路」経済圏構想の目的は主に、中国国内の過剰生産を転嫁し、新たな成長けん引力を見出すことだとされている。しかし、投資プロジェクトの収益が保障できるかどうかは不明だ。

 フランス国際関係研究所(IFRI)がこのほど発表した『中国新シルクロード』調査報告では、建築業などの過剰生産問題を抱える中国当局と、資金と技術不足の東南アジア諸国と互いに補い合うことができるが、中国の国有企業や民間企業は投資の収益を得られない可能性が高いと分析した。

 原因は三つある。

 一つ目は、短期間に収益を見込めるインターネット関連の電子通信以外のインフラ投資は、収益回収期間が長いからだ。特に貧困地域などでの収益はほぼ回収不可能と推測されている。

 二つ目は、社会的かつ政治的要因と安全性問題で、インフラ建設プロジェクトそのものに運営の難しさが増し、コストも増えることがある。営利目的の民間企業には不向きだ。

 三つ目は、中国当局の政治的介入だ。中国が「一帯一路」を主導する目的の一つは米国の影響力が強い南海海域を避けて、原油輸入ルートの「陸路」を確保することにある。このような国家戦略的プロジェクトの収益回収が難しいとみられる。中国政府高官は欧米の専門家に対して、戦略的プロジェクトによる投資の損失は、パキスタンで80%、ベトナムで50%と中央アジア地域では30%に上るだろうと話したという。

 同時に、国内経済成長が鈍化する中で、中国当局は鋼鉄、セメントや重機製造などの建設関連業の過剰生産を「一帯一路」参加国へ早急な輸出をも狙っている。鋼鉄を例にすると、14年中国では生産が4.5億トンだったが、国内の鉄道建設はその5%しか使用しなかった。このため、当局の「一帯一路」は明らかに「政治化」される可能性が高く、どれほどの収益が期待できるのかは不透明だ。

5月15日、中国政府主導のサミット「一帯一路」の会場外で、参加者をまつメディア(Thomas Peter - Pool/Getty Images)

中国国有企業はリスクを懸念

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